ホームページの広告の決まりは業種で大きく違い、医療・鍼灸・柔道整復は「広告してよい事項」が法律で列挙されています。それ以外の業種は、業種の決まりと景品表示法が重なります。不動産は業界の公正競争規約、弁護士は日本弁護士連合会の規程、エステは特定商取引法、化粧品などの効能は薬機法が上乗せされます。どの業種にも、景品表示法が共通して効きます。実際より著しく優良・有利に見せる表示や、根拠のない「通常価格」との比較が問題になります。広告であることを隠した口コミも、2023年10月1日から対象です。この記事の内容は2026年10月29日に各資料を開いて確かめたものです。判断に迷う所は所管の窓口や専門家に確かめてください。
業種ごとに効く広告の決まりは何?
ホームページの文に効く広告の決まりは業種で違い、医療・鍼灸・柔道整復は書ける事項が法律で列挙され、ほかの業種は禁止や表示義務が上乗せされます。
どの業種にも、景品表示法(正式名称は不当景品類及び不当表示防止法)が共通して効きます[12]。下の表は、業種ごとの主な決まりと、ホームページで特に気をつける点、確かめる先を並べたものです。2026年10月29日時点で各資料を開いて確かめた内容です。
| 業種 | 主な決まり | ホームページで特に気をつける点 | 確かめる先 |
|---|---|---|---|
| 病院・診療所・歯科 | 医療法第6条の5、医療広告等ガイドライン(本文の冒頭に令和8年3月30日最終改正と記載) | 広告できる事項の限定、体験談、ビフォーアフター写真、自由診療の費用・リスク | 都道府県・保健所設置市・特別区の医療広告の窓口 |
| あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう | あはき法第7条 | 広告できる事項が列挙されている。技能・施術方法・経歴にわたる広告の禁止 | 都道府県・保健所 |
| 柔道整復(整骨院・接骨院) | 柔道整復師法第24条 | 広告できる事項が列挙されている。技能・施術方法・経歴にわたる広告の禁止 | 都道府県・保健所 |
| エステ・美容サロン | 特定商取引法(特定継続的役務)、薬機法第66条、景品表示法 | 1か月超・5万円超のコースの誇大広告、化粧品などの効能の言い過ぎ | 消費者庁・都道府県の消費生活の窓口、薬務の窓口 |
| 不動産 | 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則 | 徒歩所要時間の起点、分譲の最も遠い住戸、二重価格、未完成の建物の写真 | 各地区の不動産公正取引協議会 |
| 弁護士 | 弁護士等の業務広告に関する規程(2026年4月施行の改正あり) | 事実に合わない広告、誤導・誤認のおそれ、過度な期待を抱かせる広告 | 所属の弁護士会 |
| ほかの士業 | 各資格の会の会則・規程 | 資格ごとに違うため、所属の会の規程を読む | 所属の会 |
| 飲食店 | 消費税の総額表示、景品表示法 | メニューの税込表示、産地や食材の表示 | 税務署・消費者庁 |
| 全業種 | 景品表示法第5条・第8条・第48条、価格表示ガイドライン、ステルスマーケティングの告示 | 優良誤認・有利誤認、二重価格、広告と分からない口コミ | 消費者庁・都道府県 |
| この表に入れていない業種 | 健康食品:健康増進法、食品表示法(機能性表示食品) 求人:職業安定法 金融:金融商品取引法、貸金業法 酒類:酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 中古品:古物営業法 | この記事では中身を扱っていない。法令名だけを示す | 各法令の所管の官庁・窓口 |
広告の決まりは3つの型に分かれる
決まりの分類- 医病院・診療所・歯科(医療法)
- 鍼あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(あはき法)
- 柔整骨院・接骨院(柔道整復師法)
- 美エステ(特定商取引法)・化粧品等の効能(薬機法)
- 不不動産(表示規約・施行規則)
- 士弁護士など(各会の規程)
- 飲飲食店(総額表示)
- 景景品表示法(優良誤認・有利誤認)
- 価二重価格の考え方
- スステルスマーケティング
1つの業種に複数の型が重なります。たとえばエステは2と3の両方を確かめます。
医療・鍼灸・柔道整復の3業種は、書けない言葉を探すより、法律が列挙する「書ける事項」から文を組み立てる方が安全です。ほかの業種は、業種の決まりと景品表示法の両方で、禁止される表示と書かなければならない事項を確かめます。業種ごとのサイトの実態は9業種のトップページの実測にまとめています。
1つの事業所で複数の業種にまたがる場合
1つの事業所で複数の仕事をしている場合は、ページごとに、どの仕事の広告かを分けて考えます。たとえば整骨院が保険外のリラクゼーションを行う場合でも、柔道整復の施術所に関する広告は柔道整復師法第24条の列挙事項に限られます[5]。美容室やサロンが化粧品を販売する場合、化粧品の効能の文には薬機法第66条が効きます[6]。歯科医院の自由診療のページは、医療広告等ガイドラインの限定解除の要件(費用・リスクの記載など)を満たす必要があります[2]。仕事ごとにページを分け、それぞれのページで該当する決まりを確かめると、混ざった表示を避けやすくなります。
医療(病院・診療所・歯科)のホームページは何を書ける?
病院・診療所・歯科のホームページは、医療法第6条の5が列挙する事項(診療科名・診療時間など)が基本で、要件を満たせば「限定解除」で詳しい診療内容も書けます。
医療法第6条の5は、医業・歯科医業や病院・診療所について、虚偽の広告を禁じています[1]。あわせて、次のような広告をしないことを求めています。
- 他の病院・診療所と比べて優良である旨の広告
- 誇大な広告
- 公の秩序や善良の風俗に反する広告
同条第3項は、広告できる事項を並べています[1]。主な物は次のとおりです。
- 医師・歯科医師である旨
- 診療科名
- 名称・電話番号・所在の場所・管理者の氏名
- 診療日・診療時間・予約による診療の有無
医療広告等ガイドラインの正式名称は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」です[2]。本文の冒頭に「令和8年3月30日最終改正」と記載されています。ガイドラインは、広告にあたるかを「誘引性」(患者の受診を誘う意図があること)と「特定性」(医療機関の名前などが分かること)の2つで判断するとしています[2]。案内のページは厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」です[3]。
比較優良広告・誇大広告の例(ガイドラインの具体例から)
比較優良広告とは、他の医療機関と比べて自院が優れている旨を示す広告のことです。ガイドラインは「日本一」「No.1」「最高」などの最上級の表現は、客観的な事実であっても禁止される表現にあたるとしています[2]。誇大広告とは、虚偽ではなくても、事実を不当に誇張したり人を誤認させたりする広告のことです。「人を誤認させる」は、一般人の印象と実際の内容が違うと常識的に判断できれば足りるとされています[2]。
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「当院は県内一の医師数を誇ります。」 | 「常勤医師〇名(2026年10月時点)」 | 比較優良広告にあたる。人数は時点を添え、変われば直す |
| 例2 | 「知事の許可を取得した病院です!」 | (許可を強調しない) | 開設の許可は義務で、特別な許可と誤認させると誇大広告 |
| 例3 | 「著名人も当院で治療を受けております。」 | (載せない) | 著名人との関係の強調は比較優良広告として扱われる |
| 例4 | 「顔面の〇〇術1カ所〇〇円」(5カ所同時の価格を大きく表示) | 「1カ所〇〇円、5カ所同時の場合〇〇円」を同じ大きさで | 注釈を見落とす表示は誇大広告 |
| 例5 | 「〇〇センター」(法令や都道府県の認めが無い) | 「〇〇外来」など部門名 | センターの名称は一定の医療機関などに限られる |
| 例6 | 「〇〇協会認定施設」(自院の関係者が運営する、活動実態の無い団体の認定) | (載せない。活動実績が確かめられる団体の認定だけ) | 実態の無い団体の認定は誇大広告として扱われる |
| 例7 | 撮影条件を変えたり加工したりした術前・術後の写真 | 同じ条件で撮った写真に、治療内容・費用・リスクの説明を同じ場所で添える(自由診療の限定解除の要件を満たす場合) | 効果を強調する写真は誇大広告として扱われる |
| 例8 | 「患者様の声:1回で痛みが消えました」 | 「初診の流れ:問診→検査→説明(約60分)」 | 治療の内容・効果の体験談は広告できない |
最上級の表現でなければ、客観的な事実を書くことは妨げられません。ただしガイドラインは、求められれば合理的な根拠を示して実証できる必要があるとしています[2]。調査結果などを引用する場合は、出典・実施主体・範囲・実施時期などを併記する必要があります[2]。「医師数〇名(〇年〇月現在)」のような表示も、後で医師数が大きく減れば誇大広告として扱われます。実態に合わせて随時更新することが求められます[2]。
体験談とビフォーアフター写真には特に注意が要ります。ガイドラインは、患者の主観や伝聞に基づく治療の内容・効果の体験談は、医療機関が誘引を目的に紹介する場合、広告できないとしています[2]。術前・術後の写真は、治療内容・費用・主なリスク・副作用などの詳しい説明を付ければ認められうるとされています。ただし、その説明をリンク先に置いたり、極端に小さな文字にしたりする形は採用してはならないとされています[2]。
限定解除の4つの要件
限定解除とは、一定の要件を満たしたウェブサイトなどで、列挙された事項以外の情報も載せられるようにする仕組みのことです。ガイドラインは次の①〜④をすべて満たした場合とし、③④は自由診療の情報を載せる場合に限るとしています[2]。
医療のホームページの限定解除:4つの要件
要件を順に確かめる3と4は自由診療の情報を載せる場合の要件です。限定解除をしても、体験談の広告はできません。
違反のおそれがある場合、都道府県知事・保健所を設置する市の市長・特別区の区長は、広告をした者に報告を命じたり、立入検査をさせたりできます[1]。違反していると認めるときは、期限を定めて広告の中止や是正を命じることができます(医療法第6条の8)[1]。
症例写真の載せ方は歯科医院のホームページで症例写真を載せられる条件で扱っています。口コミの扱いはクリニックのホームページに口コミや体験談を載せられない理由にまとめています。
鍼灸・マッサージ・整骨院は何を広告できる?
鍼灸院・マッサージ院はあはき法第7条、整骨院・接骨院は柔道整復師法第24条で、広告できる事項が列挙されており、それ以外は広告できません。
あはき法の正式名称は「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」です。同法第7条は、施術所等について「いかなる方法によるを問わず」、列挙した事項以外の広告を禁じています[4]。柔道整復師法第24条も、「文書その他いかなる方法によるを問わず」、列挙した事項を除いて広告を禁じています[5]。
| 広告できる事項 | あはき法第7条 | 柔道整復師法第24条 |
|---|---|---|
| 施術者である旨・氏名・住所 | あり | あり(柔道整復師である旨) |
| 業務の種類 | あり | 列挙なし |
| 施術所の名称・電話番号・所在の場所 | あり | あり |
| 施術日・施術時間 | あり | あり |
| その他厚生労働大臣が指定する事項 | あり | あり |
| 技能・施術方法・経歴にわたる内容 | 名前・住所・名称などを広告する場合も不可 | 名前・住所・名称などを広告する場合も不可 |
2つの法律は形が似ていますが、列挙の中身は同じではありません。あはき法には「業務の種類」がありますが、柔道整復師法の列挙には見当たりません[4][5]。「厚生労働大臣が指定する事項」で追加されている事項は、所管の都道府県や保健所の案内で確かめてください。
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「腰痛・肩こりが治る整骨院」 | 「月〜土 9:00〜19:00(日祝休み)」 | 効果の表示は列挙された事項に無い |
| 例2 | 「〇〇大会のトレーナー経験10年」 | 「柔道整復師 〇〇〇〇」 | 経歴にわたる内容は不可 |
| 例3 | 「独自の〇〇式骨盤矯正」 | 「〇〇整骨院 電話〇〇〇-〇〇〇〇」 | 施術方法にわたる内容は不可 |
ホームページがこの「広告」にどこまで当たるかは、所管の都道府県や保健所の考え方を確かめてください。保険の使える症状の書き方は整骨院の「保険が使える症状」の書き方、国家資格が要らない整体の書き方は整体院で「治る」「改善」と書けない理由にまとめています。
エステ・美容サロンの広告で気をつける法律は?
エステ・美容サロンの広告では、1か月超・5万円超のコースに特定商取引法が、化粧品などの効能の文に薬機法第66条が、すべての表示に景品表示法が効きます。
エステティックは、期間が1か月を超え、入学金・関連商品などを含む総額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務」にあたります[7]。特定継続的役務とは、長い期間にわたって、まとまった金額で提供される役務として法律が指定したもののことです。消費者庁の特定商取引法ガイドは、次の決まりを説明しています[7]。
| 決まり | 内容 | ホームページで確かめること |
|---|---|---|
| 誇大広告の禁止(第43条) | 著しく事実に相違する表示、実際より著しく優良・有利と誤認させる表示の禁止 | コースの効果・回数・期間の書き方 |
| 書面の交付(第42条) | 契約前の概要書面、契約後の契約書面。8ポイント以上の文字 | ページの料金と書面の料金が同じか |
| クーリング・オフ(第48条) | 書面を受け取った日から8日以内は書面等で解除できる | 解約の案内がページと書面で食い違わないか |
サロンで化粧品などを紹介する場合は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第66条が効きます。同条は、医薬品・化粧品・医療機器などの名称・製造方法・効能・効果・性能について、虚偽・誇大な記事の広告を禁じています[6]。明示的か暗示的かは問いません。医師などが保証したと誤解されるおそれのある記事も、これにあたるとされています[6]。条文の主語は「何人も」なので、メーカーだけでなくサロンの文にも及びます。第66条第1項に違反した者は、2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方に処すると定められています(第85条)[6]。厚生労働大臣または都道府県知事は、違反した者に行為の中止や再発防止の措置を命じることができます(第72条の5)[6]。違反行為がすでに無くなっている場合でも命じることができます。
特定商取引法の書面には、よく読むべき旨の注意事項を赤枠の中に赤字で書く決まりもあります。契約書面では、クーリング・オフに関する事項も赤枠の中に赤字で書きます[7]。ホームページの料金表・解約の案内と、渡す書面の内容が食い違わないように、両方を同じ日に見直すと安全です。
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「このクリームでシミが消える」 | 「保湿を中心にしたフェイシャル(60分)」 | 化粧品の効能の言い過ぎは薬機法第66条 |
| 例2 | 「医師も認めた美肌コース」(根拠なし) | 「12回コース(6か月)総額〇〇円(税込)・途中解約の条件はこちら」 | 医師が保証したと誤解される記事は虚偽・誇大にあたる |
| 例3 | 「1回で−5kg」 | 「1回60分・全身のマッサージ」 | 結果を約束する表示は誇大広告のおそれ |
| 例4 | 「通常30,000円が今だけ9,800円」(30,000円で販売した記録なし) | 「初回9,800円(税込)、2回目以降12,800円(税込)」 | 根拠のない比較は景品表示法の有利誤認のおそれ |
エステで使えない言葉はエステサロンの広告で使えない言葉、初回体験の価格の見せ方はエステの初回体験の価格を二重価格にせずに表示するで扱っています。特定商取引法の表記が要る場面は特商法の表記は必要?にまとめています。
不動産の広告は何が細かく決まっている?
不動産の広告は、不動産の表示に関する公正競争規約と同施行規則で、徒歩所要時間の数え方や二重価格の条件まで細かく決まっています。
不動産の公正競争規約とは、不動産の業界団体が定め、公正取引委員会と消費者庁の認定を受けた広告表示の決まりのことです。表示規約は2022年2月21日に認定、施行規則は同月18日に承認を受けました。いずれも2022年9月1日に施行されています[8]。主な改正点は次のとおりです[8]。
| 項目 | 決まり(2022年9月1日施行) | 条項 |
|---|---|---|
| 徒歩所要時間の向き | 物件から最寄駅等までの時間を表示 | 規則第9条第3号 |
| 分譲の徒歩所要時間 | 最も近い住戸に加えて、最も遠い住戸からの時間も表示 | 規則第9条第8号 |
| マンションの起点 | 建物の出入り口を起点とする | 規則第9条第7号 |
| 通勤時の所要時間 | 朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示し、平常時はその旨を明示して併記できる | 規則第9条第4号ウ |
| 乗換え | 乗換えを要する旨を明示し、所要時間に乗換えにおおむね要する時間を含める | 規則第9条第4号エ |
| 二重価格 | 値下げ直前の価格で、値下げ前2か月以上公表していた価格。値下げの日から6か月以内。公表日と値下げの日を明示。賃料の比較はできない | 規則第12条 |
| 未完成の新築の外観写真 | 施工者が過去に施工し、構造・階数・仕様が同一で、規模・形状・色等が類似する他の建物の写真は使える。取引する建物と誤認されるような大きな掲載はしない | 規則第9条第22号 |
| 物件名称に使える名前 | 海(海岸)・湖沼・河川の岸や堤防から直線で300m以内ならその名称を使える。街道の名称は直線で50m以内なら使える | 規約第19条第1項第3号・第4号 |
| がけの上・下の土地 | 擁壁でおおわれないがけの上・下にある旨に加え、建物を建てるときの制限の内容も明示 | 規則第7条第11号 |
| 学校・スーパーなどまでの距離 | 物件からの道路距離に加えて、徒歩所要時間の表示も認める | 規則第9条第29号・第31号 |
| インターネット広告の必要な表示事項 | 「引渡し可能年月(賃貸は入居可能時期)」と「取引条件の有効期限」(分譲物件のみ)を追加 | 別表4〜9 |
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「駅徒歩5分」(駅から物件へ計った時間) | 「物件からA駅まで徒歩5分」 | 物件から駅へ向かう分数で表示 |
| 例2 | 「A駅まで徒歩2分」(最も近い棟だけ) | 「A駅まで徒歩2分から5分」 | 分譲は最も遠い住戸からの時間も表示 |
| 例3 | 「3,000万円→2,800万円」(日付なし) | 「2,800万円(旧価格3,000万円・旧価格公表日〇年〇月〇日・新価格設定日〇年〇月〇日)」 | 公表日と値下げの日を明示 |
| 例4 | 「家賃8万円→7万円」 | 「賃料7万円」 | 賃料の比較表示はできない |
自社サイトに物件を載せる場合も、ポータルサイトと同じ基準で表示をそろえておくと安全です。規約の対象になるかどうかは加盟の状況などで変わるため、地区の不動産公正取引協議会に確かめてください。「駅徒歩」「新築」「最高」の決まりは不動産広告の表示規約で詳しく扱っています。
士業の広告はどこで決まっている?
士業の広告は資格ごとに所属する会の規程で決まり、弁護士は日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」が基準です。
日本弁護士連合会は、規程第3条が次の3つの広告を禁じていると説明しています[9]。
- 事実に合致していない広告
- 誤導または誤認のおそれのある広告
- 誇大または過度な期待を抱かせる広告
日弁連新聞第625号によると、SNSなどの新しい広告媒体に対応するため、2025年12月に規程を一部改正しました[10]。解釈・運用を定める広告指針も2026年2月に改正し、いずれも2026年4月に施行(一部は7月施行)しています[10]。2026年2月の指針の改正では、自己破産への不安をあおって任意整理などを勧誘する広告が、違反となる例として加えられています[10]。
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「どんな事件でも必ず勝てます」 | 「交通事故の示談交渉を扱っています」 | 過度な期待を抱かせる広告 |
| 例2 | 「自己破産すると家族も困ります。今すぐ任意整理を」 | 「債務整理の方法(任意整理・個人再生・自己破産)の違いを説明します」 | 不安をあおる勧誘は2026年改正の指針で違反の例に |
| 例3 | 「地域No.1の事務所」(根拠なし) | 「〇〇市で開業〇年」 | 事実に合致しない・誤認のおそれ |
債務整理を扱う事務所は、広告の決まりとは別に、受任の進め方にも注意が要ります。「債務整理事件処理の規律を定める規程」第3条は、受任の際の直接面談を定めています。日本弁護士連合会は、この義務に違反するおそれのある事例が見られると注意を呼びかけています[9]。ホームページで「電話だけで依頼が完了」「来所不要」のように書く場合は、この規程との関係を所属の弁護士会に確かめてください。
税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士などは、それぞれの会の会則や規程に広告の定めがあり、内容は同じではありません。「解決実績〇件」「成功率〇%」のような数字や、「必ず」「確実に」のような言葉は、どの資格でも所属の会の規程で扱いを確かめてから使ってください。資格ごとの違いは資格ごとに違う、士業のホームページで書けない広告表現にまとめています。
飲食店のメニューの価格はどう書く?
飲食店のメニューの価格は、消費税の総額表示の決まりにより、ホームページでも税込価格で書きます。
総額表示とは、事業者が消費者にあらかじめ価格を表示する場合に、消費税額を含めた価格(税込価格)を表示することです。国税庁は、表示媒体を問わず対象になるとし、価格を表示していない場合まで税込表示を義務付けるものではなく、口頭で伝える価格は対象外としています[11]。国税庁が示す表示例(標準税率10%の場合)は次のとおりです[11]。
| 表示の例 | 総額表示か |
|---|---|
| 「11,000円」 | あたる |
| 「11,000円(税込)」 | あたる |
| 「11,000円(税抜価格10,000円)」 | あたる |
| 「11,000円(うち消費税額等1,000円)」 | あたる |
| 「10,000円(税込価格11,000円)」 | あたる |
| 「10,000円(税抜)」だけ | あたらない(税込価格が無い) |
料理の産地・食材・量の表示は景品表示法の対象です。実際と違う産地や食材を書くと、品質を実際より著しく優良に見せる表示(優良誤認)にあたるおそれがあります[12]。
| 例 | 書けない例 | 書ける例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 「ランチ 1,000円(税抜)」だけ | 「ランチ 1,100円(税込)」 | 総額表示 |
| 例2 | 「〇〇産和牛のステーキ」(別の産地の牛肉) | 「国産牛のステーキ(産地は日によって変わります)」 | 優良誤認のおそれ |
| 例3 | 「グルメサイトで高評価の店」(評価の時点なし) | (載せる場合は時点と出典を添える) | 古い評価を今の評価と誤認させない |
アレルギー・価格・税込表示の扱いは飲食店のメニューページで詳しく扱っています。グルメサイトとの付き合い方は予約サイトに頼る業種、自社サイトが効く業種にまとめています。
どの業種にも共通する決まりは何?
どの業種にも共通するのは景品表示法で、著しく優良・有利に見せる表示と、広告と分からない口コミ(2023年10月1日から)が問題になります。
景品表示法第5条は、事業者が自分の商品・役務について、次の表示を禁じています[12]。
- 第1号(優良誤認):品質などを実際より著しく優良と示す表示
- 第2号(有利誤認):価格などの取引条件を実際より著しく有利と誤認される表示
- 第3号:内閣総理大臣が指定する表示
第1号・第2号の違反には課徴金の定めがあり、対象の売上額に100分の3を掛けた額とされています。ただし、相当の注意を怠らずに知らなかった場合は命じることができません。額が150万円未満の場合も同じです(第8条)[12]。
令和5年の改正法(令和5年法律第29号)は、2024年10月1日に施行されました[16]。ホームページの表示に関わる主な変更は次の2つです。
| 変更点 | 中身 | 条 |
|---|---|---|
| 繰り返しの違反の課徴金 | さかのぼって10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者は、算定率が100分の3から100分の4.5になる(1.5倍) | 第8条第5項 |
| 直罰の新設 | 優良誤認・有利誤認の表示をした者は、100万円以下の罰金 | 第48条 |
直罰とは、措置命令などを経ずに、違反の表示そのものに刑罰を科す決まりのことです[12]。消費者庁の概要では、この改正を「違反行為に対する抑止力の強化」と位置づけています[16]。
| 場面 | 考え方 | 出典 |
|---|---|---|
| 「通常価格〇円→〇円」 | 比べる価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」といえるには、セール開始からさかのぼる8週間のうち過半の期間その価格で販売していたことが目安。ただし通算2週間未満、または最後に販売した日から2週間以上たっている場合は当たらない | 価格表示ガイドライン |
| 「今だけ〇円、〇月から〇円」 | 将来の販売価格と比べる表示は、その価格で販売することが確かな場合以外は基本的に行うべきではない。期間後すぐその価格で販売を始め2週間以上続けた場合は、ごく短期間とは考えない | 執行方針(2020年12月25日) |
| 頼んで書いてもらった口コミ | 広告であるのに広告と分からない表示は、2023年10月1日から景品表示法違反の対象。規制の対象は広告主で、依頼を受けた第三者は対象外 | 消費者庁(ステルスマーケティング) |
ステルスマーケティングとは、広告であるのに広告であることを隠す表示のことです。消費者庁は、企業がインフルエンサーなどに依頼・指示した広告も含み、SNS・レビュー・テレビ・新聞・雑誌なども対象になるとしています。一方、個人の感想など広告でないものや、テレビCMのように広告であることが分かるものは対象外とされています[15]。ホームページでは、頼んで書いてもらったお客様の声や、紹介料を払っている紹介文が当たりやすい場面です。「当店がお願いして書いていただいたご感想です」のように、広告であることが分かる書き方にしてください。
価格表示の考え方は、消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」にあります[13]。将来の価格と比べる表示は、同じく消費者庁の執行方針にあります[14]。ステルスマーケティングは、消費者庁の案内のページで説明されています[15]。
キャンペーンの価格表示:説明用の架空例
前と後「通常価格30,000円が今だけ9,800円」30,000円で販売した期間の記録が無い。いつまでの価格か分からない
- 価格9,800円(税込)
- 期間11月30日のご予約まで
- 期間後12月1日以降は
12,800円(税込)で
実際に受け付ける - 対象初めての方・1回目のみ
金額は説明用の架空例です。比べる価格は、実際の販売の記録で裏付けられる物だけを使います。
比べる価格は、その価格で実際に販売した期間を記録で示せる物だけを使ってください。口コミや体験談の扱いはお客様の声とステマ規制の線引き、リフォームの「〇〇円から」の表示はリフォーム会社の「〇〇円から」の表示と景品表示法で扱っています。
公開前にホームページの文を確かめる手順は?
公開前の確認は、自分の業種の決まりを開き、危ない言葉と比べる価格を抜き出し、根拠と記録で確かめ、迷う文を窓口に聞く順で進めます。
- 自分の業種の行を見つける
早見表で自分の業種の行を見つけ、「確かめる先」の資料の最新版を開きます。複数の業種にまたがる場合は、すべての行を見ます。 - 危ない言葉を抜き出す
ページの文から、最上級(一番・最高・No.1)、効果の言い切り(治る・消える・必ず)、数字の実績、比べる価格を抜き出します。 - 根拠と業種の決まりを照らす
抜き出した文ごとに、裏付けの資料があるか、業種の決まりで書けない事項にあたらないかを確かめます。 - 価格の記録を確かめる
「通常価格」「定価」と比べている価格があれば、その価格で販売した期間を売上の記録で確かめます。 - 口コミと紹介の頼み方を確かめる
頼んで書いてもらった口コミや紹介文があれば、広告であることが分かる表示になっているかを確かめます。 - 迷う文は窓口に確かめる
判断に迷う文は、公開前に所管の窓口・所属の会・専門家に確かめ、確かめた日と相手を記録します。
確かめた結果は、文ごとに「根拠の資料」「確かめた日」「確かめた相手」を残しておくと、後で問い合わせを受けたときに説明できます。医療のホームページでは、違反のおそれがあると都道府県などが報告を求めることがあるため[1]、記録は特に役に立ちます。
見直す時期は、決まりが変わったときと、ページを大きく直したときの2つです。この記事で扱った決まりの改正の時期は、次のとおりです。医療広告等ガイドラインは、本文の冒頭に2026年3月30日最終改正と記載があります。弁護士の業務広告の規程と指針は2026年4月、不動産の表示規約は2022年9月1日に施行されています。景品表示法の改正は2024年10月1日に施行されています。キャンペーンの価格や期間は、終わった日にページから外すか、次の期間の条件に書き換えてください。古い価格や終わった特典が残っていると、実際と違う表示として扱われるおそれがあります。
よくある質問
- ホームページは広告ではないので、医療広告の規制は関係ないのでは?
医療広告等ガイドラインでは、医療機関のウェブサイトも、誘引性と特定性がある場合は広告として扱われます。そのうえで、一定の要件を満たせば列挙された事項以外も載せられる「限定解除」の仕組みがあります。
- 整骨院(柔道整復)も、あはき法の決まりと同じですか?
別の法律です。柔道整復師法第24条は、柔道整復師である旨と氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在の場所、施術日・施術時間、厚生労働大臣が指定する事項を除いて広告してはならないと定め、技能・施術方法・経歴にわたる内容も禁じています。あはき法と形は似ていますが、列挙の中身は同じではありません。
- エステの5万円以下のコースなら、広告の決まりは無いのですか?
特定商取引法の特定継続的役務にあたらなくても、景品表示法はすべての事業者の表示に効きます。化粧品などの効能を書く場合は薬機法第66条も効きます。
- 不動産の表示規約は、協議会に入っていない会社にも関係しますか?
規約の対象になるかどうかは、加盟の状況などで変わるため、地区の不動産公正取引協議会に確かめてください。規約の対象かどうかにかかわらず、表示が実際と違って著しく優良・有利に見えるものは景品表示法の対象になります。
- お客様に頼んで書いてもらった口コミを載せてもよいですか?
載せる場合は、事業者が頼んで書いてもらったものであることが分かる表示にしてください。広告であるのに広告と分からない表示は、2023年10月1日から景品表示法違反の対象です。医療機関の場合は、治療の内容・効果の体験談そのものを広告に使えません。
- 判断に迷う表現は、どこに聞けばよいですか?
医療は都道府県・保健所設置市・特別区の医療広告の窓口、鍼灸・柔道整復は都道府県や保健所、不動産は地区の不動産公正取引協議会、士業は所属の会、価格や口コミの表示は消費者庁や都道府県の景品表示法の窓口が目安です。聞いた日と相手、答えを記録しておくと後で役に立ちます。
あなたのサイトは、いま何点?
URLを入れるだけで、検索とAIの回答で見つけてもらうための項目を無料で点検します。登録は要りません。
今のサイトを無料で診断する →ホームページを作りはじめる- 医療法(第6条の5・第6条の8)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)(厚生労働省、本文に令和8年3月30日最終改正と記載・2026年10月29日確認)
- 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省、2026年10月29日確認)
- あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(第7条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 柔道整復師法(第24条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(第66条・第85条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 特定継続的役務提供(消費者庁 特定商取引法ガイド、2026年10月29日確認)
- 表示規約・同施行規則 主な改正点(2022年9月1日施行)(不動産公正取引協議会連合会、2026年10月29日確認)
- 弁護士に相談・依頼をするみなさまへ(日本弁護士連合会、2026年10月29日確認)
- 日弁連新聞 第625号(日本弁護士連合会、2026年10月29日確認)
- No.6902 「総額表示」の義務付け(国税庁、2026年10月29日確認)
- 不当景品類及び不当表示防止法(第5条・第8条・第48条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 不当な価格表示についての景品表示法上の考え方(消費者庁、2026年10月29日確認)
- 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針(消費者庁、2020年12月25日・2026年10月29日確認)
- 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。(消費者庁、2026年10月29日確認)
- 令和5年改正景品表示法(概要)(消費者庁、令和6年10月1日施行・2026年10月29日確認)