クリニックのホームページに口コミや体験談を載せられないのは、医療法施行規則第1条の9第1号が、治療の内容や効果についての患者の体験談の広告を禁じているためです。[1]厚生労働省のガイドラインは、医療機関が自らのウェブサイトに載せる体験談は広告に当たり、内容が正しくても認められないとしています。口コミサイトからの転載、スタッフ自身の体験談、アンケートの画像も対象です。[3]患者さんが自分の意思で口コミサイトに書くことは問題ありません。一方、医院が高評価を頼んだり割引と引き換えにしたりすると、医療法と景品表示法の両方の問題になります(2026年10月29日確認)。[4]
クリニックのホームページに口コミや体験談を載せられないのはなぜ?
クリニックのホームページに治療の体験談を載せられないのは、省令(医療法施行規則)で広告が禁じられているためです。[1]内容が正しくても認められません。
体験談とは、ここでは、治療の内容や効果について、患者自身の体験や家族などから聞いた話をもとにした主観的な感想のことです。厚生労働省の医療広告等ガイドライン(2026年3月30日最終改正)は、禁止の理由を次のように説明しています。[1]
こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療広告としては認められない。
出典:医療広告等ガイドライン 第3-1 1(6)
押さえておくべき点は3つです。
- 中身が正しくても不可:ガイドラインは「患者等の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない」としています。[1]うそや大げさな表現がなくても、体験談という形そのものが対象です。
- 自院のサイトに載せれば広告:新聞記事のように特定の病院をほめる内容でも、ふつうは広告に当たりません。しかしガイドラインは、病院等が「自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談については広告に該当する」と明記しています。[1]
- 院長やスタッフが書いても同じ:厚生労働省の事例解説書(第6版)は、患者ではなく医療機関のスタッフ自身が書いた体験談も規制の対象としています。[3]
医療機関のウェブサイトは、2018年6月1日に施行された改正医療法で、チラシや看板と同じ広告規制の対象になりました。[2]それ以前に作った「患者さまの声」のページが残っていないかを、まず確かめる必要があります。体験談の禁止は、医科・歯科のどちらにも同じようにかかります。整骨院や整体院は医療法ではなく別の決まりで考えるため、整骨院の保険が使える症状の書き方や整体院で「治る」「改善」と書けない理由を参照してください。業種ごとの違いは業種別の広告規制の早見表で比べられます。
「体験談」にあたるのはどこまで?受付や待合室の感想は?
医療広告で禁止される体験談は、治療の内容や効果についての感想です。[1]受付の対応や待合室の印象だけの感想は禁止の定義そのものには入りませんが、良い感想だけを選んで載せることは別の決まりにかかります。[2]
ホームページに載せられる事実・載せられない感想
対象と対象外- 治療の効果の感想(痛みが消えた、など)
- 治療の内容の感想(手術が早く終わった、など)
- 院長・スタッフが書いた体験談
- アンケート画像・動画・口コミの転載
医療広告等ガイドラインと事例解説書(第6版)をもとにした概念図です。個別の判断は所管の窓口に確かめます。
ガイドラインの定義は「治療等の内容又は効果に関する体験談」です。[1]「痛みが消えた」「手術してよかった」「仕上がりに満足」のように、治療の中身や結果に触れる部分が禁止の対象です。
一方で、Q&A(Q2-9)は、医療機関のウェブサイト上の口コミについて次のように答えています。「当該医療機関にとって便益を与えるような感想等を取捨選択し掲載するなどして強調することは、虚偽・誇大に当たるため、広告できません」。[2]受付の感想であっても、良いものだけを選んで並べると、この問題が生じます。
| 感想の例 | 治療の内容・効果に触れているか | 載せたときの問題 |
|---|---|---|
| 「手術後の痛みがほとんどなかった」 | 触れている | 体験談として禁止 |
| 「先生の説明が分かりやすく、治療を決められた」 | 治療の選び方・内容に触れている | 体験談に当たるおそれ |
| 「受付の方が親切だった」 | 触れていない | 選んで並べると虚偽・誇大のおそれ(Q2-9) |
| 「待ち時間が短くて助かった」 | 触れていない | 選んで並べると虚偽・誇大のおそれ。待ち時間は事実の数字で書ける |
| 「駐車場が広くて停めやすい」 | 触れていない | 感想ではなく台数・場所の事実として書くほうが確実 |
表の右の列のとおり、治療に触れない感想でも、医院が選んで載せる時点で「良い感想だけを強調する」形になりがちです。患者さんの声として並べるのではなく、待ち時間・駐車場・受付時間のような事実を、医院の説明として書き直すのが確実です。事実の書き方は、後の「体験談のかわりに載せられることは?」の節で並べます。
「症例紹介」の中にも体験談が入り込むことがあります。事例解説書(21)は、医師の症例紹介の中に患者の言葉を書いた例を、禁止の事例に挙げています。例に書かれていたのは「5年間悩まされていた痛みが和らいだ」「痛みがほとんどなくなり、日常生活が楽になった」という主訴です。[3]症例の説明は、医師の所見と治療の事実で書き、患者さんの言葉を引用しない形にします。症例写真の決まりは歯科医院のホームページで症例写真を載せられる条件で扱っています。
よくある載せ方は、それぞれどう判断される?
クリニックのホームページでよく見る口コミ・体験談の載せ方は、厚生労働省の事例解説書(第6版)でほぼすべて禁止の事例として示されています。[3]事例は6つ載っています。
| 載せ方 | 判断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 「当院に寄せられた体験談」のページ | 不可 | 事例解説書(16) |
| 口コミサイトやGoogleマップの口コミを、そのまま・抜粋して転載 | 不可。特に医療機関に有利な口コミだけを抜き出すのは虚偽・誇大にも当たる | 事例解説書(17)、Q&A Q2-9 |
| 院長やスタッフが自分で治療を受けた体験談 | 不可。患者でなく医療機関のスタッフが書いたものも対象 | 事例解説書(18) |
| スタッフブログで「先日の患者様も満足されていました」と代わりに書く | 不可。患者の体験を代わりに書いても同じ扱い | 事例解説書(18) |
| 医院の依頼で口コミサイトの運営者が口コミを編集・削除・並べ替え | 不可。編集された体験談が禁止の広告になる | 事例解説書(19)、Q&A Q1-18 |
| 治療後アンケートの直筆の回答を画像やPDFにして掲載 | 不可。トリミングやPDF化で加工・転載した体験談も対象 | 事例解説書(20) |
| 医師の症例紹介の中に患者の言葉を入れる | 不可。患者の主訴として書いた体験談も対象 | 事例解説書(21) |
表の判断は、事例解説書とQ&Aによります。[2][3]事例解説書(17)の例は、口コミサイトの口コミを、出典を示して載せたものです。「当院についての患者様の声を口コミサイトより抜粋して掲載しております(元サイト:口コミ.com)」と書いてありますが、それでも禁止とされています。出典を書けば転載してよい、という考え方は通りません。
事例解説書(20)の直筆アンケートの例では、アンケートの目的を「治療の質の向上のため」と書いたうえで、その回答を画像にして載せています。[3]目的が改善のためでも、回答をホームページに載せた時点で体験談の広告になります。アンケートは院内での改善に使い、ホームページには載せないと決めておきます。
動画も同じです。事例解説書の動画の章には、体験談の動画の事例が含まれています。[3]院内で撮影した患者さんのインタビュー動画を、ホームページや動画サイトの公式チャンネルに載せる形は、文章の体験談と同じように扱われると考えて作ります。
Googleの口コミをホームページに埋め込むのはどう?
Googleの口コミの本文をホームページに自動で表示する部品(ウィジェット)は、治療に触れた口コミが出る可能性があるなら外すのが安全です。口コミサイトからの転載と同じ形になるためです。[3]事例解説書(17)は、口コミサイトの口コミの転載を禁止の事例にしています。
ウィジェットの多くは、星の数が高い口コミを選んで表示したり、新しい口コミを自動で流したりします。医院が手で選ばなくても、表示の設定を医院が決めている以上、医院のウェブサイトに体験談を載せた形になります。高評価だけを表示する設定は、Q&A(Q2-9)がいう「医療機関にとって便益を与えるような感想等を取捨選択し掲載するなどして強調する」形にも近くなります。[2]
星の評価や件数だけを抜き出して「Googleの評価 ★4.8」と大きく出すことについては、ガイドラインに直接の例がありません。ただし、評価の数字は口コミ(体験談)をまとめたものであり、医院に有利な数字だけを強調する形になりやすいことは意識しておく必要があります。迷う場合は、所管の保健所などの相談窓口に確かめてください。
ホームページから地図の情報へ案内するだけなら、問題になりにくい形です。「アクセス」の欄にGoogleマップの地図を置き、医院の場所や行き方を示すのは、所在の場所を示す情報として扱えます。地図の埋め込みに口コミが一緒に表示される設定になっていないかは、公開前に確かめます。地図の情報そのものの整え方はGoogleビジネスプロフィールの登録方法にまとめています。
ホームページの制作会社がテンプレートとして口コミの表示部品を最初から入れていることもあります。制作を頼むときは、口コミ・体験談を表示する部品を使わないことを、発注の条件として書いておくと確実です。
患者さんが口コミサイトやGoogleマップに書くのは問題ない?
患者さんが自分の意思で口コミサイトやSNS、Googleマップに書くことは、医療機関が関わっていなければ医療広告に当たりません。[2]線を越えるのは、医療機関が投稿を頼んだり、内容の編集に関わったりしたときです。
Q&A(Q2-11)が扱うのは、個人のウェブサイト、SNSの個人のページ、第三者が運営する口コミサイトへの体験談の掲載です。これらは「医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しません」とされています。[2]誘引性とは、患者の受診を誘う意図があることで、ガイドラインが医療広告にあたるかを判断する要件の1つです。[1]
Q&A(Q1-18)は、医療機関の検索ができるサイトの体験談について、次の場合に誘引性が生じ、体験談を載せられなくなるとしています。[2]
- 医療機関が患者やその家族に、有償・無償を問わず、肯定的な体験談の投稿を依頼した場合
- サイトの運営者が体験談の内容を改編したり、否定的な体験談を削除したり、肯定的な体験談を優先的に上に表示したりする編集が、医療機関の依頼で行われた場合
- 医療機関の依頼でなくても、そのように編集されたサイトの運営費を医療機関が後から負担する場合
患者が自ら書いた手記などにも、ガイドラインは同じ考え方をとります。医療機関からの依頼に基づく場合や、金銭などの謝礼を受けている・約束がある場合は、誘引性があるものとして扱うとしています。[1]書いた人が医療機関の経営に関わる人の家族などで、医療機関の利益のためと認められる場合も同じです。院長の家族や知人に口コミを書いてもらう形は、ここに当たるおそれがあります。
口コミサイトに有料で掲載している場合は、契約の中身を確かめます。口コミの表示順や削除に医院が関わる契約になっていないか、口コミを優先表示するオプションを付けていないかが確かめどころです。
患者さんに口コミを頼んでもよい?「良い評価をお願いします」は?
クリニックが患者さんに肯定的な口コミの投稿を頼むことは、有償・無償を問わず、医療広告の誘引性が生じる形とされています。[2]「良い評価をお願いします」「満足された方は投稿を」という頼み方は避けてください。
口コミの頼み方で、扱いが分かれる
頼み方で分かれる医療広告等Q&A(Q1-18・Q2-11)、消費者庁の措置命令、Googleのポリシーをもとにした概念図です。
Q&A(Q1-18)の文言は「肯定的な体験談の投稿を依頼した場合」です。[2]「よろしければ口コミをお願いします」と全員に同じように声をかけることが、ここに当たるかどうかは、Q&Aに直接の答えがありません。ただし、受付やLINEの配信、院内の掲示で次のような言い方をしていれば、肯定的な投稿を求めていると読まれやすくなります。
| 例 | 避ける言い方 | 理由 |
|---|---|---|
| 例1 | 「星5つの評価をお願いします」 | 肯定的な評価を求めている |
| 例2 | 「ご満足いただけた方は、ぜひ口コミを」 | 満足した人だけを選んで頼んでいる |
| 例3 | 「口コミを書いてくださった方に〇〇をプレゼント」 | 見返りを約束している |
| 例4 | 「口コミ投稿で次回〇%割引」 | 見返りを約束している。消費者庁の措置命令の事例と同じ形 |
Googleの側も、マップの投稿に関するポリシーで、口コミの投稿と引き換えに金銭や割引、無料の商品・サービスなどのインセンティブを提供することを事業者に禁じています。[5]否定的な口コミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的な口コミを選択的に募ったりする行為も、事業者に禁止されている行為として書かれています。[5]
医院として最も確実なのは、口コミの投稿を頼まないことです。地図の情報で見つけてもらうことを重視するなら、口コミを集めるより、地図の情報そのものを正確に保つほうが医療広告の決まりとぶつかりません。診療時間・休診日・予約の方法・駐車場などです。Googleの地図の情報の整え方はMEO対策を自分でやる方法にまとめています。
「星5で割引」はなぜステマ規制の違反になった?
消費者庁は2024年6月6日、Googleマップの口コミで星4か星5を付けることを条件にワクチン接種費用を割り引いた内科クリニックの運営法人に、景品表示法の措置命令を出しました。[4]医療機関の口コミの集め方が、ステルスマーケティングの規制の対象になった事例です。
ステルスマーケティング(ステマ)とは、事業者の広告であるのに、広告であることを隠して第三者の感想のように見せる表示のことです。景品表示法第5条第3号に基づく告示(ステルスマーケティング告示)が、一般消費者が事業者の表示であることを判別するのが困難な表示を、不当な表示として禁じています。[4]
消費者庁の公表資料によると、事案の中身は次のとおりです。[4]
| 項目 | 公表資料の内容 |
|---|---|
| 表示の場所 | Googleマップ内の、クリニックのプロフィールの口コミ投稿欄 |
| 医院がしたこと | インフルエンザワクチン接種のために来院した人に、口コミ欄に「★★★★★」又は「★★★★」の投稿をすることを条件に、接種費用から割り引くことを伝えた |
| 問題とされた点 | その結果投稿された口コミは、表示内容全体から事業者の表示であることが明瞭になっているとは認められず、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示に当たる |
| 根拠 | 景品表示法第5条第3号(ステルスマーケティング告示)。措置命令は同法第7条第1項 |
| 命じられたこと | 表示をやめること、一般消費者への周知徹底、再発防止策の役員・従業員・医療従事者への周知徹底、今後同様の表示を行わないこと |
公表資料の別表には、2023年12月8日以降の期間の投稿が並んでいます。[4]患者さんが自分のアカウントで書いた口コミでも、医院が条件を付けて投稿させた時点で、医院の表示として扱われた、という点が大事です。
この事例は景品表示法の判断です。医療法の側から見ても、見返りを約束して肯定的な口コミを頼むことは、Q&A(Q1-18)の「肯定的な体験談の投稿を依頼した場合」に当たります。[2]1つの頼み方が、医療法と景品表示法の両方の問題になりうる、と考えておく必要があります。ステマ規制全体の考え方はお客様の声・口コミとステマ規制:やってよい事の線引きにまとめています。
悪い口コミを消してもらうのはよい?返信はどう書く?
クリニックが口コミサイトに悪い口コミの削除を頼むことは、名誉毀損などの不法行為に当たる口コミを除き、体験談の編集を依頼したものと見られるおそれがあります。[3]返信で治療の効果をうたうことも避けます。
事例解説書(19)が禁止の広告とするのは、医療機関の依頼で口コミサイトの運営者が体験談を編集している場合です。内容の改編、否定的な体験談の削除、肯定的な体験談を上に表示することが挙げられています。[3]そのうえで「当該体験談が名誉毀損等の不法行為に当たる場合は、医療機関による削除等の依頼は医療法違反には当たらない」としています。
削除を頼めるかどうかの目安を並べます。
| 口コミの中身 | 削除の依頼 | 医院の対応の例 |
|---|---|---|
| 医院や職員を事実と違う内容で中傷している | 名誉毀損などに当たる場合は、医療法違反にはならないとされる | サイトの運営者の手続きに従って申し出る。必要なら弁護士に相談 |
| 「説明が足りなかった」「待たされた」などの不満 | 体験談の編集の依頼と見られるおそれ | 削除は頼まず、返信で事実を説明し、改善を伝える |
| 治療の結果への不満 | 体験談の編集の依頼と見られるおそれ | 個別の診療の内容には返信で触れず、相談の窓口を案内する |
返信を書くときに気を付けることは3つです。1つ目は、返信の中で治療の効果をうたわないこと。2つ目は、患者さんの診療の内容に触れないこと(返信は誰でも読めるため)。3つ目は、次回の割引など見返りを書かないことです。返信の文例はGoogle口コミの返信例文と口コミ返信の例文 業種別にあります。
Googleのポリシーは、否定的な口コミの投稿を妨げたり禁止したりする行為を事業者に禁じています。[5]受付で「悪い口コミは書かないでください」と頼むことや、不満がありそうな患者さんに投稿をやめるよう求めることも、このポリシーに触れるおそれがあります。
体験談のかわりにホームページへ載せられることは?
クリニックのホームページには、体験談のかわりに、ガイドラインが広告できるとする事実を載せられます。平均待ち時間、休日・夜間の診療、相談の窓口、セカンドオピニオン、電子カルテの導入などです。[1]患者さんが知りたいことの多くは、事実として書き直せます。
医療広告等ガイドラインは、「病院又は診療所の管理又は運営に関する事項」として広告できる事項を例示しています。[1]体験談で伝えたかったことを、事実の形に書き直した例です。
| 例 | 書ける例(広告可能事項) | 書けない例(体験談) |
|---|---|---|
| 例1 | 平均待ち時間は約〇分です(〇年〇月の受付記録から。適宜更新) | 待ち時間が短くて助かりました(50代女性) |
| 例2 | 休日・夜間の診療を行っています(〇曜〇時まで) | 夜遅くまで診てもらえて、痛みがすぐ治まりました |
| 例3 | セカンドオピニオンのための診療情報の提供を行っています | 他院で手術と言われたのに、ここで治りました |
| 例4 | 院内に患者さんからの相談に応じる窓口を設けています | 親身に相談に乗ってくれて、治療を決められました |
| 例5 | 電子カルテを導入しています | 説明が分かりやすく安心して治療を受けられました |
| 例6 | 個人情報の漏えいを防ぐための取り組みを行っています | プライバシーに配慮してくれて安心でした |
平均待ち時間は、ガイドラインが「広告した平均待ち時間と実際の待ち時間に乖離が生じないように」適宜更新することを求めています。[1]院長のあいさつも、Q&A(Q1-6)で「開院から20年を迎えることができました」のような広告可能事項や、医療の内容と関係のないあいさつ文は広告可能とされています。[2]院長の経歴や専門医の資格の書き方は院長紹介の経歴と専門医資格の書き方を参照してください。
受診を迷っている人の疑問には、よくある質問のページで答える方法もあります。治療の効果を約束する言い方を避け、費用・時間・持ち物・予約の方法などの事実を答える形にします。書き方はFAQページの作り方を参照してください。予約の方法の見せ方はクリニックのWeb予約と電話の置き方で扱っています。
検索やAI検索(ChatGPTやGoogleのAIによる概要など)で医院が紹介されるときも、使われるのはページに書かれた事実です。体験談の代わりに、診療科・診療時間・予約の方法・待ち時間・設備を本文の文字で書いておくと、医院を探す人の問いに答えられるページになります。
スタッフや制作会社には、どんな決まりとして伝える?
クリニックの体験談の決まりは、書いてはいけない物と頼んではいけない言い方を、受付・ブログの担当・制作会社に文書で渡しておくのが確実です。院長だけが知っていても守れないためです。[1][2]事例解説書の事例の多くは、スタッフの記載や制作の部品から生まれています。[3]
院内の決まりとして、次の3つの一覧を作っておくと、担当が変わっても同じ判断ができます。
| 一覧 | 書く内容 | 渡す相手 |
|---|---|---|
| 載せない物 | 患者・家族・院長・スタッフの治療の体験談、口コミの転載、アンケートの画像、患者さんの言葉を入れた症例紹介、口コミ表示の部品 | ブログ・SNSの担当、制作会社 |
| 言わない言い方 | 「良い評価をお願いします」「満足された方は投稿を」「口コミで割引」「悪い口コミは書かないで」 | 受付、LINEの配信担当 |
| 書いてよい事実 | 診療時間、休診日、予約の方法、平均待ち時間(集計時期つき)、相談窓口、設備 | ブログ・SNSの担当、制作会社 |
スタッフブログは、体験談が最も入り込みやすい場所です。事例解説書(18)の例は、スタッフブログで治療を紹介する中に「先日実際に体験された患者様も」と患者の感想を代わりに書いたものでした。[3]ブログを公開する前に、患者さんの様子や感想を書いた文がないかを、院長か決めた担当者が読む手順を入れておきます。
制作会社に頼むときは、見積もりや契約の段階で「口コミ・体験談を表示する部品を使わない」「患者さんの声のページを作らない」と書いておきます。ホームページの運用を任せている場合は、制作会社が更新のついでに口コミの部品を足すこともあるため、更新のたびに確かめる項目に入れます。運用の頼み方はホームページの維持費と管理費の見直し方も参考になります。
決まりに反するとどうなる?最初に何から直す?
クリニックのホームページの体験談は、保健所などの行政指導の対象になり、従わなければ中止命令・是正命令へ進みます。[1]口コミの集め方に見返りがあれば、景品表示法の措置命令の対象にもなりえます。[4]
厚生労働省は、ネットパトロールで医療機関のウェブサイトを見ており、一般の人からの通報も受け付けています。[3]医療広告等ガイドラインが定める流れでは、保健所などによる任意の調査と行政指導(広告の中止・是正の要請)が先です。従わない場合などに、報告命令・立入検査、期限を定めた中止命令・是正命令へ進みます。中止命令・是正命令に従わなかった場合の罰則は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(法第87条第1号)です。ガイドラインの文言は「6月以下の懲役」のままですが、2025年6月の刑法改正で懲役は拘禁刑に変わっています。[1]景品表示法の措置命令では、消費者庁が事業者名と違反の内容を公表します。[4]
口コミ・体験談の点検の順番
6つの確認迷う表現は所管の保健所など医療広告の相談窓口に確かめます。
- ページを洗い出す
ホームページ・ブログ・公式SNSで「患者さまの声」「体験談」「アンケート」「口コミ」と名の付く箇所を探します。 - 文の中の体験談を探す
症例紹介・院長ブログ・スタッフブログを読み、患者の感想や治療の効果についての言葉が混じっていないかを確かめます。 - 表示の部品を外す
Googleの口コミなどを表示する部品があれば、本文が出るものは外します。地図の埋め込みに口コミが出ないかも見ます。 - 頼み方を見直す
受付・会計・LINEの配信・院内掲示で、良い評価を頼む言い方や見返りの約束をやめます。 - 事実で書き直す
外した部分のかわりに、平均待ち時間・診療時間・相談窓口などの事実を載せます。 - 迷う所を確かめる
判断に迷う表現は、所管の保健所など医療広告の相談窓口に確かめます。
よくある質問
- 待合室に貼っている「患者さんの声」は問題ありませんか?
- 医療広告等ガイドラインは、医療機関の内部の掲示や院内で配る冊子は、受け手がすでに受診している患者等に限られるため、ふつうは広告に当たらないとしています。ただし、同じ掲示物を撮影してホームページやSNSに載せると、自院のウェブサイトに載せた体験談として扱われます。
- 患者さんが書いた好意的な投稿を、クリニックの公式SNSで共有してもよいですか?
- 患者さん本人の投稿は広告に当たりませんが、医院のアカウントで共有・引用すると、医院が自らの媒体に体験談を載せた形に近くなります。厚生労働省の事例解説書は、口コミサイトの口コミの転載を禁止の事例に挙げています。治療の効果に触れた投稿の共有は避けるのが安全です。
- 治療と関係のない感想(受付が親切だった等)なら、ホームページに載せられますか?
- 禁止の定義は治療等の内容又は効果に関する体験談です。ただし医療広告等Q&Aは、医療機関に便益を与えるような感想を取捨選択して掲載し強調することは虚偽・誇大に当たるとしています。良い感想だけを選んで並べる形は避け、待ち時間などは事実の数字で書くほうが確実です。
- 口コミサイトに有料で掲載していると、そこの口コミも問題になりますか?
- 医療広告等Q&Aは、医療機関が依頼して運営者が口コミを編集した場合や、編集されたサイトの運営費を後から負担する場合に誘引性が生じるとしています。掲載料を払っているサイトでは、口コミの表示順や削除に医院が関わっていないかを契約内容で確かめてください。
- 院長が自分で治療を受けた体験をブログに書くのは問題ありますか?
- 厚生労働省の事例解説書(第6版)は、患者ではなく医療機関のスタッフ自身が書いた体験談も、患者が書いたものと同じように認められないとしています。院長の体験談も、治療の内容や効果に触れていれば対象です。治療の説明は、体験ではなく治療の流れや期間などの事実で書きます。
- Googleマップの口コミの返信で、治療の説明をしてもよいですか?
- 返信は医院が書く文なので、治療の効果をうたう内容は避けます。返信は誰でも読めるため、患者さんの個別の診療の内容にも触れないのが基本です。治療について詳しく伝えたい場合は、ホームページの治療ページや相談の窓口を案内します。
- 患者さんのインタビュー動画をホームページに載せてもよいですか?
- 治療の内容や効果について患者さんが話す動画は、文章の体験談と同じように扱われると考えて作ります。厚生労働省の事例解説書(第6版)は、動画の広告の事例として体験談の動画も挙げています。院内の様子や診療の流れを伝えたい場合は、医師やスタッフが事実を説明する動画にします。
- 口コミサイトの口コミを「元サイト」を書いて引用するなら載せてもよいですか?
- 厚生労働省の事例解説書(第6版)は、元の口コミサイトの名前を示したうえで患者様の声として転載・抜粋した例を、禁止の事例に挙げています。出典を書いても、医院のウェブサイトに体験談を載せたことに変わりはありません。口コミサイトへのリンクを貼るだけにするか、載せないのが安全です。
- クリニックの開院前に、知人に口コミを書いてもらってもよいですか?
- 医療広告等ガイドラインは、医療機関の依頼に基づく手記や、謝礼の約束がある場合は誘引性があるものとして扱い、経営に関わる人の家族などが医療機関の利益のために書く場合も同じとしています。開院前は受診した人がいないため、治療の口コミそのものが事実と違うことにもなります。口コミは頼まず、地図の情報を正確に整えることに力を使います。
- 口コミの依頼をやめると、Googleマップで見つけてもらいにくくなりませんか?
- Googleのポリシーは、見返りと引き換えの口コミや、肯定的な口コミだけを選んで募ることを事業者に禁じています。地図の情報で見つけてもらうためには、診療時間・休診日・予約の方法・写真などの情報を正確に保つことが、医療広告の決まりとぶつからない方法です。口コミは、患者さんが自然に書くものとして扱います。
あなたのサイトは、いま何点?
URLを入れるだけで、検索とAIの回答で見つけてもらうための項目を無料で点検します。登録は要りません。
今のサイトを無料で診断する →ホームページを作りはじめる- 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)(厚生労働省、2026年3月30日最終改正・2026年10月29日確認)
- 医療広告等ガイドラインに関するQ&A(厚生労働省、2026年3月改定・2026年10月29日確認)
- 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)(厚生労働省、2026年3月作成・2026年10月29日確認)
- 医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁、2024年6月7日公表・2026年10月29日確認)
- 禁止または制限されているコンテンツ - マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー(Google、2026年10月29日確認)