よくある質問(FAQ)ページは今も必要?検索とAIでの役割
よくある質問のページは、問い合わせの前にお客様の迷いを解く場所です。料金・対応地域・支払い方法・キャンセルのように、毎回同じ答えをしている質問を先に載せておけば、電話やメールで同じ説明を繰り返す回数が減ります。
検索とAI検索にとっても、1問1答の形は読み取りやすい形です。Google は、AIによる概要や AI モードが「関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、それをもとに回答を組み立てる」場合があると説明しています(出典:Google 検索セントラル『AI 機能とウェブサイト』)。「(地域名) 遺品整理 費用」のような検索から、「見積もりは無料か」「当日に頼めるか」のような細かい問いが生まれ、その1つ1つに答えているページは、答えの根拠として使える材料を持っていることになります。
同じページで Google は、重要な内容はテキストで載せること、構造化データはページに表示される内容と一致させることを勧めています。FAQは、この2つを最も素直に満たせるページの1つです。
FAQのリッチリザルトはどうなった?2023年と2026年の変更
以前は、FAQPage の構造化データを入れたページについて、Google の検索結果に質問と答えが表示されることがありました(FAQ のリッチリザルト)。この表示は対象が絞られたあと、2026年に終わりました。
| 日付 | Google の発表 |
|---|---|
| 2023年9月14日 | FAQ のリッチリザルトを、よく知られた信頼のおける政府機関と保健衛生関連のサイトだけに表示するとドキュメントに記載 |
| 2026年5月7日 | この日以降、FAQ のリッチリザルトが Google 検索に表示されなくなる |
| 2026年5月8日 | FAQ のリッチリザルトのドキュメントに、サポート終了のお知らせを追加 |
| 2026年6月15日 | FAQ のリッチリザルトのドキュメントを削除 |
出典:Google 検索セントラル『ドキュメントの最新の更新内容』
2026年10月9日に更新された Google の最適化ガイドは「生成 AI 検索に構造化データは必要ありません」としたうえで、構造化データはリッチリザルトの対象になるため、SEO の一部として使うことは勧めています(出典:Google 検索セントラル『Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する』)。FAQ についてはそのリッチリザルトが無くなったため、Google 検索で見た目が変わる効果はなくなりました。FAQ ページの価値は、マークアップではなく、ページに書かれた質問と答えの中身で決まります。
FAQの構造化データはどれくらい使われている?863件の調査
暖簾AIは2026年10月15日に、ある事業者団体の公開名簿に載る遺品整理・片付けなどの事業者のサイト1,061件を機械的に調べ、トップページを取得できた863件を集計しました。構造化データ(JSON-LD)が何か入っていたのは416件(48.2%)で、多かった型は次の通りです。
| WebSite | 347件 |
|---|---|
| Organization | 288件 |
| BreadcrumbList | 253件 |
| WebPage | 218件 |
| LocalBusiness | 92件 |
| FAQPage | 35件 |
| Article | 23件 |
FAQPage があったのは35件(4.1%)でした。そのうち25件は WordPress で作られたサイトで、15件は店舗・事業者の型(LocalBusiness)も一緒に入っていました。上位の型は WordPress のサイトに偏っており、WebSite があった347件のうち293件、Organization の288件のうち258件が WordPress のサイトでした。テーマやプラグインが自動で出す型が上位に並び、事業者が自分で質問と答えを用意して入れる FAQPage は少数派です。
この数字は、1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。トップページにFAQを置かず、別のページにまとめているサイトは数に入っていません。
質問は何を載せる?選び方は?
質問は、想像で作るより、実際に聞かれた言葉から拾うほうが外れません。次の4か所から集めます。
- 電話・メール・問い合わせフォーム:過去3か月分の問い合わせを読み、同じことを聞かれた回数を数える
- 見積もりや打ち合わせの場:契約の前に必ず確認される点(支払い時期、追加料金の条件など)を書き出す
- Search Console の検索クエリ:自社サイトが表示された検索語のうち、疑問の形の物(「〜 いくら」「〜 当日」)を拾う(見方は Search Consoleの検索パフォーマンスの見方)
- 検索の候補(サジェスト):業種名を入れたときに出る候補の言葉を見る(方法は ブログのネタを見つける方法)
集めた質問は、次の種類に分けると抜けが見つかります。
| 種類 | 質問の例 |
|---|---|
| 料金 | 見積もりは無料ですか?/追加料金がかかるのはどんな場合ですか? |
| 対応範囲 | (市区町村名)は対応していますか?/対応していない作業はありますか? |
| 日程 | 最短でいつ頼めますか?/作業にかかる時間は? |
| 申込み・支払い | 申込みの方法は?/支払い方法と支払いの時期は? |
| キャンセル・変更 | キャンセル料はかかりますか?/日程の変更はいつまでできますか? |
| 立ち会い・準備 | 立ち会いは必要ですか?/事前に準備しておくことは? |
例は暖簾AIによる作例。業種に合わせて言葉を置き換える
並べ方と置き場所
質問は、聞かれる回数が多い順に並べます。10問を超えたら、上の表の種類ごとに h3 の見出しで区切ると、読む人が自分の質問を探しやすくなります。FAQ 専用のページのほかに、料金のページには料金の質問を、サービスのページにはそのサービスの質問を2〜3問ずつ置くと、そのページを読んでいる人の疑問にその場で答えられます。同じ質問を複数のページに置く場合は、答えの文をそろえて、数字の食い違いを作らないようにします。
検索とAIに使われる答えはどう書く?
答えの書き方で大切なのは、最初の1文で質問に答え切ることです。AIの答えにも検索のスニペットにも、段落の一部が切り出されて使われるため、前置きから始まる答えは途中で切れても意味が通りません。
- 質問は、お客様が使う言葉のまま見出し(h2 や h3)にする
- 答えの1文目で「はい/いいえ」か数字を言う
- 条件・例外は2文目以降に書く
- 1つの質問に1つの答え。複数の話題を1問にまとめない
- 料金や日数は、ほかのページと同じ数字を使う
- 答えは HTML の本文として書く。クリックで開く形にする場合も、文章がページの中に入っているかを確かめる
| 質問 | 伝わりにくい答え | 伝わりやすい答え |
|---|---|---|
| 見積もりは無料ですか? | お客様に安心していただけるよう、丁寧なお見積もりを心がけております。 | 無料です。(対応地域)内なら出張費もかかりません。見積もり後にお断りいただいても費用は発生しません。 |
| 最短でいつ頼めますか? | できる限りご希望に沿えるよう調整いたします。 | 空きがあれば、お電話の翌日から作業できます。土日も対応しています。 |
例は暖簾AIによる作例。( )内と条件は自社の事実に置き換える
伝わりやすい答えは、どの1文を切り出しても事実が残ります。反対に、気持ちを伝える文だけの答えは、AIにとって答えに使える情報がありません。答えの長さは1〜3文が目安で、それ以上の説明が要る場合は、詳しいページへのリンクを最後に添えます。
FAQPageの構造化データは入れるべき?書き方は?
Google 検索でFAQのリッチリザルトは表示されなくなったため、FAQPage の構造化データは、今から急いで入れる物ではありません。すでに入っている場合は、本文の質問と答えと一致しているかを確かめます。Google は、構造化データをページに表示される内容と一致させるよう求めています(出典:Google 検索セントラル『AI 機能とウェブサイト』)。本文に無い質問を構造化データだけに入れるのは避けます。
FAQPage は、schema.org で1つ以上の「よくある質問」を載せる WebPage の型として定義されていて、質問(Question)に name と、採用された答え(acceptedAnswer)を持たせます(出典:schema.org)。入れる場合の最小の形は次の通りです。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [{
"@type": "Question",
"name": "見積もりは無料ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "無料です。(対応地域)なら出張費もかかりません。"
}
}]
}
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| @type: FAQPage | このページがよくある質問のページであること |
| mainEntity | 質問の一覧。質問の数だけ Question を並べる |
| name | 質問の文。本文の見出しと同じにする |
| acceptedAnswer の text | 答えの文。本文の答えと同じにする |
出典:schema.org『FAQPage』『Question』をもとに暖簾AIが整理
料金を変えたのに、構造化データの中だけ古い金額が残る、という食い違いが起きやすいので、本文を直すときは同じ日に構造化データも直します。店舗・事業者の構造化データとあわせて入れる場合は 構造化データ LocalBusiness の書き方 も参考にしてください。
作ったあとは何を見直す?
- 公開したら、Search Console の URL 検査で FAQ ページが「登録されています」になるかを確かめる
- 料金・対応地域・営業時間を変えたら、その日のうちに FAQ の答えも直す
- 月に1回、新しく来た問い合わせを読み、FAQ に無い質問を足す
- 同じ質問が FAQ を見たあとも来るなら、答えの1文目が分かりにくくないかを見直す
FAQ の材料は問い合わせの中にあります。暖簾AIの運用アプリの「お問い合わせの分析」では、届いた問い合わせの通知・分類・返信の下書きを行うため、どの種類の質問が多いかを見ながら FAQ を足していけます。
AI検索への対策を何から始めるかは、まとめの記事AI検索対策のやり方(やる順のチェックリスト12項目)に並べています。
よくある質問
- よくある質問は何問くらい載せればいいですか?
- 決まった数はありません。実際に何度も聞かれた質問から10問前後で始め、新しい質問が来るたびに足していく形が続けやすい方法です。
- 質問ごとに別のページを作ったほうがいいですか?
- 答えが1〜3文で収まる質問は、1つのFAQページにまとめます。料金の内訳や作業の流れのように長い説明が要る質問は、別のページにして、FAQの答えからリンクします。
- 他社のよくある質問を参考にしてもいいですか?
- どんな質問が載っているかを参考にするのは問題ありませんが、答えの文章を写すと著作権の問題になり得ます。自社の料金や条件をもとに自分の言葉で書き、判断に迷う場合は専門家に確認してください。
- 入れてあるFAQPageの構造化データは外したほうがいいですか?
- Googleの2026年5月の告知は、FAQのリッチリザルトが表示されなくなったことを伝えるもので、マークアップを外す必要には触れていません。本文の質問と答えと一致しているかを確かめたうえで、残すか外すかを決めれば足ります。
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