問い合わせが増えないのはなぜ?最初に疑うのは「連絡のしにくさ」
ホームページから問い合わせが来るまでには、①検索や地図で見つけてもらう、②ページを読んで「ここに頼みたい」と思ってもらう、③その場で連絡してもらう、の3段階があります。アクセスが少ないと①を増やしたくなりますが、③で止まっていると、見つけてもらっても問い合わせにはつながりません。③は自分のスマートフォンで今日確かめられ、直す手間も小さいため、最初に点検する価値があります。
③で起きやすい詰まりと、その確かめ方を表にまとめました。
| 段階 | よくある詰まり | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 連絡先を探す | 電話番号がページの最下部にしかない/画像の中に書かれていて押せない | スマホでトップを開き、スクロールせずに電話番号かボタンが見えるか |
| 電話をかける | 番号を押しても発信画面が出ない(tel: のリンクがない) | 番号をタップして発信の確認画面が出るか |
| フォームに入る | フォームが「会社概要」の奥にあり、何回も押さないと着かない | 各ページから何回押せばフォームに着くか数える |
| フォームを送る | 項目が多い・必須の印が分からない・送信後に何も表示されない | 自分で送信して、完了画面と自動返信メールが届くか |
| 返事を待つ | いつ返事が来るか、受付時間が書いていない | 電話番号やフォームの近くに受付時間と返事の目安があるか |
出典:暖簾AI作成の点検表
どれも新しいページを作らずに直せる項目です。次の章で、中小事業者のサイトが実際にどうなっているかを数字で見ます。
中小事業者のサイトの連絡手段はどうなっている?863件の調査結果
暖簾AIは2026年10月15日、遺品整理・片付けなどを手がける事業者団体の公開名簿に載る1,061件の公式サイトを機械的に調べ、トップページを取得できた863件を集計しました。トップページに置かれた連絡手段・導線の割合は次のとおりです。
| 電話をタップで発信(tel:リンク) | 63.4% |
|---|---|
| LINEへのリンク | 33.6% |
| Instagramへのリンク | 22.6% |
| 入力フォーム(form要素) | 21.1% |
| Googleマップの埋め込み | 21.1% |
電話番号をタップで発信できるリンク(tel:)があるサイトは63.4%で、残る36.6%はトップページから指1本で電話をかけられない状態でした。トップページに入力フォーム(form要素。サイト内検索の窓も含む)があるサイトは21.1%で、多くのサイトはフォームを別のページに置いています。別のページでも問題はありませんが、その場合は各ページの見える位置にフォームへのボタンがあるかが分かれ目になります。
地域別に見ると、電話リンクの割合には10ポイント以上の差がありました。
| 地域 | 集計したサイト数 | 電話をタップで発信できる(tel:) |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 102件 | 65.7% |
| 関東 | 287件 | 65.9% |
| 中部 | 148件 | 55.4% |
| 近畿 | 157件 | 61.8% |
| 中国・四国 | 59件 | 67.8% |
| 九州・沖縄 | 77件 | 64.9% |
出典:暖簾AI調べ(2026年10月、中小事業者のサイト863件。所在地が判別できない33件は表から除く)。1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。
電話番号はタップで発信できる?tel リンクの確かめ方と書き方
スマートフォンで見ている人にとって、電話番号は「押せば発信できる」のが前提です。総務省の調査では、個人のインターネット利用はスマートフォンが74.3%、パソコンが45.6%で、スマートフォンがパソコンを28.8ポイント上回っています(出典:総務省『令和7年通信利用動向調査の結果』2026年5月公表)。
| インターネット利用者(全体) | 85.7% |
|---|---|
| スマートフォン | 74.3% |
| パソコン | 45.6% |
確かめ方は次の手順です。
- 自分のスマートフォンでトップページを開く(パソコンの画面を縮めた表示ではなく、実機で見る)
- 画面の上部か、スクロールしても付いてくるボタンに電話番号があるか見る
- 電話番号をタップし、発信の確認画面が出るか確かめる(ここで発信はしなくてよい)
- 「料金」「サービス」など、問い合わせの直前に読まれるページでも同じことを確かめる
押せない場合は、番号を <a href="tel:0312345678">03-1234-5678</a> のようなリンクにします(番号は例です)。WordPress などの編集画面では、番号の文字を選んでリンクを挿入し、URL の欄に「tel:」に続けてハイフンなしの番号を入れれば同じ形になります。電話番号を画像の中に書いている場合は、押せないうえに文字として読み取られないため、文字に直します。
番号のすぐ近くには、受付時間(例:9:00〜18:00、日曜定休)と、時間外はフォームやLINEで受け付けることを書き添えます。かけてよい時間が分かれば、時間外に見た人もフォームやLINEに移れます。
問い合わせフォームはどう直す?項目・置き場所・送信後の流れ
フォームは、電話をかけにくい時間帯の人や、写真や詳しい事情を伝えたい人の受け皿です。直すときは次の順に見ていきます。
- 置き場所:全ページの上部(メニュー)と各ページの最後に、フォームへのボタンを置く。トップから1回押せば着くのが目安
- 項目の数:必須は「名前」「連絡先(電話かメール)」「相談内容」程度に絞り、住所や会社名は任意にする
- 入力の手間:入力例を欄の上か中に書き、相談の種類や希望の連絡方法は選択式にする
- 送信後:完了画面に「何営業日以内に、どの方法で返事をするか」を書き、自動返信メールでも同じことを伝える
- 受け取り:通知メールの宛先を2人以上にし、月に1回は自分でテスト送信して届くか確かめる
電話番号の欄は、入力欄の種類(input の type)を tel にしておくと、スマートフォンで数字のキーボードが開き、入力の手間が減ります。メールアドレスの欄は type を email にします。
項目の例を表にしました。業種によって必要な項目は変わるため、「返事をするのに本当に要るか」で残すかどうかを決めます。
| 項目 | 必須か | 理由 |
|---|---|---|
| お名前 | 必須 | 返事の宛名に使う |
| 電話番号またはメールアドレス | どちらか必須 | 返事の手段。両方を必須にしない |
| 相談の種類(選択式) | 必須 | 担当の振り分けと返事の準備を早くする |
| 相談内容 | 任意または必須 | 自由記入。入力例を添える |
| 希望の連絡方法・時間帯 | 任意 | 電話がつながらない行き違いを減らす |
| 住所・会社名 | 任意 | 見積もりに要る業種だけ残す |
出典:暖簾AI作成の項目例
フォームで名前や連絡先を受け取ることは、本人から直接、個人情報を取得することに当たります。個人情報保護法第21条第2項は、本人から直接書面(電磁的記録を含む)に記載された個人情報を取得する場合、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならないと定めています。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、自社のホームページの入力画面に入力された個人情報を取得する場合をその事例に挙げ、送信ボタンを押す前に利用目的が目に留まる配置にすることが望ましいとしています(出典:個人情報保護委員会『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)』2026年6月一部改正)。
フォームのすぐ近くに利用目的とプライバシーポリシーへのリンクを置いておきます。書き方はプライバシーポリシーの記事にまとめています。個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
LINE・地図・SNSはどこに置く?連絡手段を増やすときの注意
調査では、トップページにLINEへのリンクがあるサイトは33.6%、Instagramへのリンクは22.6%、Googleマップの埋め込みは21.1%でした。電話とフォームに加えて連絡手段を増やすときは、次の点を確かめます。
- 何を受け付けるかを書く:「LINEで写真を送って見積もり」「予約の変更はLINEで」など、使い道を一言添える
- 返事の体制を先に決める:見る人と返事の目安時間を決めてから載せる。返事が遅れる窓口は置かないほうがよい
- リンク先が生きているか:更新が止まったSNSや、削除したアカウントへのリンクは外す
- 来店・訪問型は地図も:お店や事務所に来てもらう業種は、住所の文字と地図の両方を置き、駐車場や最寄り駅も書く
- 並べすぎない:ボタンが5つも6つも並ぶと迷うため、主な窓口を2〜3つに絞り、ほかはページ下部にまとめる
Googleマップで見つけた人は、ホームページを開かずに、Googleビジネスプロフィールの電話ボタンから連絡してくることもあります。ホームページとプロフィールで、電話番号と営業時間がそろっているかも合わせて確かめておきます。
連絡の前に何を確かめられている?ためらいを減らす載せ方
連絡手段が整っていても、「いくらかかるか分からない」「この地域に来てもらえるか分からない」と感じた人は、問い合わせの手前で離れます。問い合わせボタンの近くに、次の情報があるかを確かめます。
- 料金の目安:「○○円から」「○○の場合の例:○○円」のように、幅や条件つきでも書く。見積もりが要る業種は、見積もりに費用がかかるかどうかを書く
- 対応できる地域と日時:市区町村の名前、土日・夜間に対応できるか
- 問い合わせから当日までの流れ:連絡→見積もり→作業→支払いを番号付きで
- 相談だけでもよいか:「相談だけでも受け付けています」のように、連絡のハードルを下げる一言
- 誰が対応するか:代表やスタッフの名前と顔写真、資格や経験年数
- よくある質問:電話で何度も聞かれることを、答えと一緒に載せる
トップページや料金ページでは、問い合わせボタンのすぐ上にこれらを3〜4行で要約し、詳しい説明はそれぞれのページに置くと、読む量を増やさずに済みます。電話で同じ質問が続くなら、それはページに書かれていない情報だという合図です。よくある質問の作り方はよくある質問ページの作り方で説明しています。
直したら効果をどう確かめる?問い合わせの数え方
導線を直したら、同じ物差しで前後を比べます。毎月、次の3つを記録しておくのがおすすめです。
- 窓口別の問い合わせ件数(電話・フォーム・LINE・メール)。電話は着信履歴や「ホームページを見て」の一言で数える
- フォームの送信完了と電話ボタンのクリック。それぞれをイベントとして計測し、Googleアナリティクス4(GA4)のキーイベントに設定すれば、毎月の回数を自動で数えられる(設定の手順は問い合わせ数の計測方法)
- 直した日。直した日をメモしておき、その前後4週間(28日)ずつで件数を比べる
件数が月に数件の業種では、1か月の増減は偶然に左右されます。3か月程度の記録がそろってから判断するのが目安です。
暖簾AIの運用アプリには、来た人がどこまで読み何を押したかを見て、直すことを1つずつカードにし、28日後に同じ数字で確かめるサイト内の行動分析があります。今のサイトの状態を知りたい場合は、URLを入れるだけの無料診断も使えます。
よくある質問
- 電話とフォームは、どちらを目立たせればいいですか?
- 急ぎの依頼が多い業種は電話、写真や詳しい事情を聞きたい業種はフォームやLINEを先に置くのが目安です。迷う場合は両方を並べ、それぞれに受付時間と返事の目安を書き添えます。
- メールアドレスをそのまま載せてもいいですか?
- 載せてもかまいませんが、迷惑メールの宛先として集められることがあるため、フォームを主な窓口にし、メールアドレスは補助として置くのが無難です。
- フォームに迷惑な送信が届くようになりました。どうすればいいですか?
- フォームのプラグインやサービスにある迷惑送信の対策(画像認証や確認画面など)を有効にします。対策を入れたあとは自分でテスト送信し、本物の問い合わせまで止めていないかを確かめます。
- 営業の電話が増えるのが心配です。電話番号は載せないほうがいいですか?
- 電話番号は、お客様が事業者を確かめるための基本の情報です。載せたうえで「営業のお電話はお断りしています」と書き添え、窓口を分けたい場合はフォームで相談の種類を選んでもらう方法があります。
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