行政書士の集客は、許認可・相続・入管の分野ごとに、依頼する人・依頼のきっかけ・時期・経路が違うので、分野ごとに入口と書く中身を分けるのが合っています。建設業許可は5年ごとの更新と毎年の決算後の届出が法律で決まっていて[4]、期限から逆算して探す事業者が相手です。主な入口は、許認可が地域名+許可名の検索・Googleマップ・既存客の更新、相続が司法書士・税理士・金融機関からの紹介と検索、入管が雇用企業からの依頼と母語の案内です。相続は、2024年4月1日に始まった相続登記の義務化をきっかけに動く家族が相手です[6]。入管は、6か月以上の在留期間なら満了の3か月前から更新を申請でき[7]、届出をした行政書士は申請取次ができます[8]。
行政書士の集客は、分野によって何が違う?
行政書士の集客は、許認可・相続・入管の分野ごとに、依頼する人、依頼のきっかけ、決まった時期、依頼が来る経路が違います。要点は「誰が・いつ・どこから」の3つで、次の表で比べます。行政書士とは、官公署に出す書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成と、その提出手続の代理などを仕事にする国家資格者です[1]。扱える書類が多いぶん、分野によって客の顔ぶれがまったく変わります。
| 項目 | 許認可(建設業許可の例) | 相続 | 入管(在留手続) |
|---|---|---|---|
| 依頼する人 | 建設業者の代表・事務担当 | 亡くなった人の家族 | 在留外国人本人、雇用する企業の担当者 |
| きっかけ | 新規の許可、毎年の決算後の届出、5年ごとの更新、業種の追加 | 相続の開始、相続登記の義務化、金融機関の手続 | 在留期間の更新、在留資格の変更、転職、家族の呼び寄せ |
| 決まった時期 | 許可は5年ごとに更新。決算後の届出は事業年度終了から4か月以内 | 相続で取得を知った日から3年以内に相続登記(施行前の相続は令和9年3月31日まで) | 6か月以上の在留期間なら満了の3か月前から満了日まで更新を申請できる |
| 主な経路 | 検索(地域名+許可名)、Googleマップ、取引先・元請けの紹介、既存客の更新 | 司法書士・税理士・金融機関との紹介、検索、相談会 | 雇用企業・登録支援機関からの依頼、本人の知人の紹介、母語での情報 |
| 範囲の線引き | 申請書類の作成と提出の代理 | 遺産分割協議書などの書類作成。登記は司法書士、相続税は税理士、争いは弁護士 | 届出をした行政書士は申請取次ができる(書類の提出などの事実行為) |
根拠:建設業法第3条・第11条[4]、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」[6]、出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」[7]「申請等取次者としての承認手続」[8]、弁護士法第72条[10]。
表のとおり、3つの分野は依頼の生まれ方がそろって違います。1つのホームページで全部を同じように見せるより、分野ごとに入口と書く中身を分けるほうが、それぞれの経路に合います。検索で上位に出る解説には「専門分野を絞る」という助言が多く見られますが、絞るかどうかより先に、分野ごとの依頼の生まれ方を知っておくと、どこに力を入れるかが決めやすくなります。
行政書士の報酬は、分野によってどれくらい違う?
行政書士の報酬は、日行連の令和7年度の統計で、建設業許可の法人の新規(知事)が平均151,341円、在留期間の更新(就労資格)が平均56,204円と、分野と手続で大きく違います。日本行政書士会連合会は、行政書士が受けた報酬額の統計を5年に1度調べて公表しています[11]。
| 業務 | 平均 | 回答者数 | 最頻値 |
|---|---|---|---|
| 建設業許可(法人・新規・知事) | 151,341円 | 512 | 165,000円 |
| 永住許可申請 | 145,323円 | 141 | 100,000円 |
| 在留資格認定証明書(就労資格) | 120,174円 | 194 | 110,000円 |
| 建設業許可(法人・更新・知事) | 82,408円 | 767 | 55,000円 |
| 建設業許可(業種追加) | 80,899円 | 359 | 88,000円 |
| 遺産分割協議書の作成 | 69,752円 | 705 | 55,000円 |
| 相続人及び相続財産の調査 | 61,722円 | 443 | 50,000円 |
| 在留期間更新(就労資格) | 56,204円 | 213 | 55,000円 |
| 建設業の決算後の届出(事業年度終了・知事) | 42,997円 | 1,029 | 33,000円 |
統計の金額は消費税を含み、立替金は含みません[12]。同じ業務でも中身で額が大きく変わると日行連は説明しています[11]。統計をそのまま自分の料金にするのではなく、自分の料金がどのあたりにあるかを知る目安に使います。
統計の対象は、建設業・宅地建物取引業・運送業・産業廃棄物などの許認可から、入管、相続、家族の手続まで幅広い業務に及びます[12]。自分が扱う業務の項目を探し、ページに載せる報酬と並べてみると、説明を足すべき所が見えてきます。
統計の表には、平均のほかに最頻値(いちばん多かった額)と最小値・最大値も載っています。たとえば建設業許可(法人・新規・知事)は、平均151,341円に対して最頻値は165,000円、最小値は30,000円、最大値は365,000円でした[12]。平均は一部の高い額や安い額に引っぱられるので、自分の料金を考えるときは最頻値や、額の幅もあわせて見ます。
グラフで目を引くのは、建設業の決算後の届出です。1件あたりの平均は42,997円と小さいものの、回答者数は1,029と、表の中でいちばん多くなっています[12]。許認可の客は、新規の1回で終わらず、毎年の届出と5年ごとの更新で戻ってくる客です。相続や入管の多くの手続とは、売上の積み上がり方が違います。
許認可の依頼は、どんな時期に生まれる?
建設業許可の依頼は、許可が要る工事を受けるとき、毎事業年度が終わったとき、5年ごとの更新のときの3つの時期に生まれます。どれも法律で決まっているので、時期から逆算して依頼先が探されます。
- 許可が要る工事を受けるとき:建設業法施行令第1条の2は、許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」を、1件の請負代金が500万円未満の工事(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅)としています[5]。これを超える工事を受けるには許可が要ります。
- 毎事業年度が終わったとき:建設業法第11条第2項は、許可を受けた建設業者に、毎事業年度経過後4か月以内に決まった書類を出すよう定めています[4]。
- 5年ごとの更新:建設業法第3条第3項は「第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めています[4]。
検索も「〇〇県 建設業許可 更新」「建設業許可 500万円」のように、期限や金額と地域で探されることが多いと考えられます。施行令は、1つの工事を契約を分けて請け負っても、正当な理由がなければ合算して判断するとしています[5]。「契約を分ければ許可は要らないか」という相談は、ページの問いと答えにそのまま使えます。
建設業者から依頼が来る3つの時期
法律で決まった時期建設業法第3条・第11条、建設業法施行令第1条の2による。申請の受付期間は許可を出す都道府県などの案内で確かめます。
建設業許可のページには何を書けば選ばれる?
建設業許可のページには、新規・更新・業種追加・毎年の届出ごとの報酬と日数、許可が要るかの目安、対応する都道府県、次の期限を知らせる仕組みを書きます。建設業者がページで知りたいのは「いくらで、いつまでに、何を用意すればよいか」です。
| ページの項目 | 書く中身の例 | 根拠・目安 |
|---|---|---|
| 許可が要るかの目安 | 1件500万円以上の工事(建築一式は1,500万円以上など)を受けるなら許可が要る | 建設業法施行令第1条の2 |
| 報酬 | 新規・更新・業種追加・毎年の届出ごとの額と、別にかかる実費 | 日行連の統計の平均を目安に自社の額を決める |
| 日数 | 書類がそろってから申請までの日数、許可が出るまでの目安 | 許可を出す都道府県などの案内 |
| 期限 | 毎年の届出は事業年度終了から4か月以内、更新は5年ごと | 建設業法第11条・第3条 |
| 対応地域 | 申請先の都道府県(知事許可)と、大臣許可を扱うか | 自社の対応範囲 |
| 次の期限の案内 | 依頼した事業者に、届出と更新の時期を知らせるか | 自社の運用 |
申請先も、ページで分けて書く項目です。建設業法第3条第1項は、2つ以上の都道府県に営業所を置いて営業するなら国土交通大臣の許可、1つの都道府県の中だけなら、営業所のある都道府県知事の許可としています[4]。同じ条文は、発注者から直接受けた工事で、下請に出す代金の総額が政令の額以上になる場合を特定建設業とし、それ以外を一般建設業としています[4]。知事許可だけを扱うのか、大臣許可や特定建設業も扱うのかを書くと、相談の段階で合わない依頼を減らせます。
許認可の客は、1回で終わらず毎年と5年ごとに戻ってくる客です。新しい客を探すのと同じくらい、依頼してくれた事業者の届出と更新を取りこぼさないことが大事な経路になります。ページには「毎年の届出と更新の時期をご案内します」と書け、実際に送る仕組みとセットにします。
建設業のほかにも「更新」で戻ってくる許認可がある
建設業許可のように更新のある許認可は、ほかにもあります。日行連の統計には、更新の手続が業務として並んでいます。次はその一部です。
| 業務(統計の項目名) | 報酬の平均(税込) | 回答者数 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業者免許申請(更新)知事 | 83,399円 | 192 |
| 産業廃棄物収集運搬業 更新許可申請(積替保管を除く) | 95,969円 | 262 |
| 建設業許可申請(法人・更新)知事 | 82,408円 | 767 |
出典:日行連「令和7年度報酬額統計調査の結果」[12]。更新の周期は許認可ごとに法令で決まっているので、ページに書くときは、その許認可の法令や許可を出す役所の案内で確かめます。
更新のある許認可を扱う事務所は、許認可ごとに「次の期限」を客の一覧で管理し、案内を送る仕組みを持つと、新しい客を探す手間と同じくらいの効果が見込めます。ページには、どの許認可で更新の案内をしているかを書いておきます。
報酬を載せるときは、統計の平均を「相場」と書いて自社の額のように見せないようにします。日行連の職務基本規則は、報酬額表を事務所に掲示し、インターネットでの公表に努めるとしています[3]。自社の報酬額表をそのままページに載せるのが、いちばん食い違いの起きない形です。
相続の依頼は、行政書士のもとにどこから来る?
相続の依頼は、相続登記の義務化をきっかけに動く家族から、検索や、司法書士・税理士・金融機関との紹介の行き来を通じて来ます。法務省によると、相続登記の義務化は令和6年4月1日に始まりました[6]。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります[6]。施行前に相続を知った不動産でも、登記がされていなければ対象になり、その期限は令和9年3月31日です[6]。登記の前には、相続人の確定や遺産の分け方の話し合いが要ります。この下準備の書類づくりが、行政書士の依頼につながります。
家族が最初に手続に迷うのは、亡くなった人の預金や自動車の名義を変えようとして、金融機関や窓口から相続人全員の分かる書類や話し合いの結果の書面を求められたときです。この場面で「何をそろえればよいか」を検索する家族は少なくありません。相続のページには、よく求められる書類と、その集め方を具体的に書いておくと、検索から直接の相談につながります。
相続の手続は、行政書士だけでは完結しません。家族は「どこに頼めば全部済むのか」を知りたがっています。そのため相続の分野では、検索から直接来る依頼に加えて、ほかの士業や金融機関からの紹介が大きな経路になります。司法書士の側がどんなページを足しているかは相続登記の義務化で司法書士のホームページに足すページが参考になります。
紹介の行き来には決まりがあります。日行連の職務基本規則は、依頼者を紹介したことについて対価を求めてはならないとし、紹介を受けた対価を依頼者の報酬に上乗せすることも禁じています[3]。連携をページに書くのはよいですが、紹介料の受け渡しを前提にしない形にします。
相続のページで、行政書士が担う範囲はどう書く?
相続のページでは、行政書士が担う書類づくりと、司法書士・税理士・弁護士につなぐ手続を分けて書きます。報酬を得る目的で一般の法律事件の法律事務を扱うことは、法律に別段の定めがない限り、弁護士・弁護士法人のほかはできません(弁護士法第72条)[10]。
相続のページに書く、行政書士の範囲
担う範囲と、つなぐ先- 相続登記の申請(司法書士)
- 相続税の申告(税理士)
- 相続人どうしの争いの交渉(弁護士)
範囲の線引きの概念図です。個別の事案は、所属する行政書士会や関係の士業に確かめます。
相続の手続の流れと担い手
手続の順番流れの概念図です。相続税の申告が要るか、登記の期限はいつかは、事案ごとに確かめます。
日行連の統計では、遺産分割協議書の作成の平均は69,752円(回答者数705)、相続人及び相続財産の調査は61,722円(同443)でした[12]。相続の分野は、1件の報酬は許認可の新規より小さいものの、回答者が多く、扱う事務所が多い分野です。そのぶん、ページで範囲と連携をはっきり書くことが、選ばれる理由になります。
統計には、令和7年度の調査で新しく「相続土地国庫帰属の承認申請」の項目が加わりました。回答者は9と少なく、平均は113,111円でした[12]。相続した土地を手放したいという相談は、相続登記の義務化とあわせて増える可能性があります。扱う事務所は、ページで扱うかどうかをはっきり書いておくと、合わない相談を減らせます。
範囲を超えて「示談交渉もお任せ」のように書くと、扱える業務を超えると受け取られるおそれがあります。家族の間で意見が分かれている相談は、弁護士に相談するよう案内し、その旨をページにも書いておきます。
入管の依頼は、誰が行政書士を探している?
入管の依頼は、在留外国人本人だけでなく、雇用する企業や登録支援機関の担当者が行政書士を探す場合もあり、本人の側では知人の紹介や母語の情報が経路になることもあります。在留の手続は本人の生活と仕事に直結し、期限もあるため、頼める相手を早く見つけたいという事情があります。
出入国在留管理庁は、在留期間の更新などの在留諸申請は、地方出入国在留管理局への本人出頭を原則としています[9]。例外として、法定代理人による申請や、地方出入国在留管理局長が適当と認める者による取次があります[9]。弁護士・行政書士が取次を行うには、所属する単位会(弁護士会・行政書士会)を通じて地方出入国在留管理局に届け出ます[8]。
取次者が申請した場合は、申請人の出頭は原則として免除されます[8]。ただし、在留状況について事情を聴く必要がある場合などは、出頭を求められることがあります[8]。取次は書類の提出などの事実行為で、申請人として署名したり、記載内容を直接直したりはできません[8]。
外国人を雇う企業の担当者は、従業員それぞれの在留期間の満了日を管理しなければなりません。何人もの更新が別々の時期に来るので、期限の一覧を一緒に管理してくれる行政書士を探すことがあります。企業向けのページでは、従業員の在留期間の一覧を預かって期限前に知らせるか、複数人の申請をまとめて受けるか、会社が用意する書類は何か、を書いておくと話が早く進みます。
本人が仕事を休んで入管に行かずに済むかどうかは、本人と雇用する企業の両方にとって大きな違いです。申請取次の届出をしているかどうかは、入管の分野でいちばん先にページに書くべき事項です。
入管のページには、何をどの順で書く?
入管のページには、申請取次の届出の有無、扱う在留資格と報酬、更新を申請できる時期、対応できる言語、企業向けの流れの順に書きます。出入国在留管理庁は、在留期間更新の申請期間を「在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する3か月前から。)」としています[7]。
| 書く順と項目 | 書く中身の例 |
|---|---|
| 1 申請取次の届出 | 届出済みであること、本人の出頭が原則として免除されること、例外があること |
| 2 扱う在留資格と報酬 | 就労・家族滞在・永住など、手続ごとの報酬と実費 |
| 3 申請できる時期 | 6か月以上の在留期間なら満了の3か月前から。早めの相談をすすめる |
| 4 対応できる言語 | 面談・メール・電話ごとに、対応できる言語 |
| 5 企業向けの流れ | 複数人の更新をまとめて頼めるか、会社が用意する書類 |
入管の手続は、大きく3つに分かれます。海外にいる人を呼び寄せる前の「在留資格認定証明書」、日本にいる人の在留資格を変える「在留資格変更」、同じ在留資格のまま期間を延ばす「在留期間更新」です。依頼のきっかけも、探す人も違います。
| 手続 | よくあるきっかけ | 探す人 | 報酬の平均(統計・就労資格) |
|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書 | 海外から人を採用する、家族を呼び寄せる | 雇用する企業、日本にいる家族 | 120,174円 |
| 在留資格変更 | 留学生が日本で就職する、転職で仕事の内容が変わる | 本人、内定を出した企業 | 103,167円 |
| 在留期間更新 | 在留期間の満了が近づく | 本人、雇用する企業 | 56,204円 |
報酬の平均は日行連「令和7年度報酬額統計調査の結果」の就労資格の項目[12]。
日行連の統計では、在留期間更新(就労資格)の報酬の平均は56,204円(回答者数213)、在留資格認定証明書(就労資格)は120,174円(同194)、永住許可申請は145,323円(同141)でした[12]。手続によって額が倍以上違うので、ページでは手続ごとに分けて載せます。
更新の申請は満了日までに出す必要があるので、ページには「満了日が近い方は、まずお電話ください」のように、急ぎの相談の受け方を書いておきます。満了日を過ぎてしまった場合の扱いは事情によって変わるため、自分で判断せず、早めに地方出入国在留管理局や行政書士に相談するよう案内します。
この分野では、日本語のページと別に、本人の母語で短い案内を作ると、紹介された人がそのまま読めます。全部を訳す必要はなく、届出の有無、扱う手続、連絡の方法、報酬の目安の4つがあれば足ります。訳した案内でも、日本語のページと内容をそろえ、改定のたびに両方を直します。
2026年1月の行政書士法改正で、ページに書けることは?
2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、行政書士でない者が名目を問わず報酬を得て行政書士の業務を行えないことが、条文の上ではっきりしました。総務省によると、行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)は令和8年1月1日に施行されました[1]。
改正後の行政書士法第19条第1項は、行政書士・行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」、業として行政書士の業務を行ってはならないとしています[2]。あわせて、行政書士の職責の規定(第1条の2)が置かれ、品位を保ち、法令と実務に通じ、公正かつ誠実に業務を行うこと、情報通信技術の活用などで国民の利便の向上に努めることが定められました[2]。
「コンサルタント料」「サポート料」のように名目を変えても、行政書士でない者が報酬を得て業として官公署に出す書類を作ることはできない、ということです。ページには、たとえば「官公署に提出する書類の作成を報酬を得て業として行えるのは、行政書士・行政書士法人です(行政書士法第19条)」と事実として書けます。
第1条の2の職責の規定は、情報通信技術の活用などで国民の利便の向上に努めることも求めています[2]。オンラインでの面談、書類のデータでの受け渡し、電子申請への対応など、実際に行っている便利な仕組みは、ページに具体的に書けます。遠方の客や、仕事で日中に動けない客にとっては、それが依頼先を選ぶ理由になります。
ただし、特定の会社や他の事業者を名指しして批判する書き方は、職務基本規則の誹謗中傷の禁止や、広告宣伝の品位の決まりに触れるおそれがあるので避けます[3]。補助金の申請の支援を扱う事務所は、社会保険労務士が扱う助成金との違いにも気をつけます。助成金のページの書き方は助成金の社労士ページを大げさにせず書く方法で扱っています。
分野をまたいで、行政書士の広告で守ることは?
分野をまたいで守るのは、職務基本規則第17条の広告宣伝の決まりで、ホームページ・SNSを含めて、事実に合わない・誤認誤導・誇大な内容を禁じています。条文は広告宣伝に「ホームページ、SNS等によるものを含む」と明記しています[3]。
- 第17条:不当な目的を意図し、又は品位を損なうおそれのある広告宣伝、事実に合致しない内容、誤認又は誤導のおそれのある内容、誇大な広告宣伝の禁止[3]
- 第15条第2項:金品の提供、供応その他不当な行為で依頼を誘致することの禁止[3]
- 第24条:報酬額表の掲示と、インターネットでの公表に努めること[3]
- 第34条:受任のときに適正な報酬を明示し、十分に説明すること。不当に安い報酬で受けないこと[3]
| 例 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| 例1 | 避ける例 | 「どんな許可でも必ず取れます」(結果の約束) |
| 例2 | 避ける例 | 「入管に顔がきくので早く許可が出ます」(事実に合わず、品位を損なうおそれ) |
| 例3 | 避ける例 | 「相続のトラブルも交渉で解決します」(扱える業務を超えるおそれ) |
| 例4 | 書ける例 | 「建設業許可の新規・更新・毎年の届出を扱っています。昨年は〇件の更新を受けました(件数は受任の数)」 |
| 例5 | 書ける例 | 「申請取次の届出をしています。本人の出頭は原則として免除されますが、入管から出頭を求められることがあります」 |
件数などは架空の例です。実際の数と数え方を書きます。
分野を増やして見せるために、扱った経験のない業務を「得意」と書くことは避けます。分野ごとのページを作るときも、実際に受けられる業務だけを載せます。ほかの士業と比べた広告の決まりは士業のホームページで書けない表現を資格ごとに比べた記事にまとめています。
分野ごとに入口を分けると、行政書士のページはどう変わる?
分野ごとに入口を分けると、トップで分野を選んだ人が、その分野の期限・報酬・範囲だけを読めるようになります。暖簾AIが2026年10月に、行政書士事務所のサイト26件のトップページを機械的に調べた結果は次のとおりです(2026年10月29日時点の集計。トップページだけの判定。26件と少ないため、傾向の目安にとどまります)。
| 項目 | 割合(件数) |
|---|---|
| 料金などの文字 | 73.1%(19件) |
| よくある質問などの文字 | 26.9%(7件) |
| Google マップ | 26.9%(7件) |
| 金額表記 | 15.4%(4件) |
| LINE へのリンク | 11.5%(3件) |
料金の文字はあっても、問いと答えや金額まで出している事務所は少数です。分野が広い事務所ほど、トップに業務名を並べるだけになりがちです。経路が違う分野は、次のように入口を分けます。
- トップに分野ごとの入口(許認可・相続・入管など)を置き、それぞれ別のページにする
- 各ページの最初に、その分野の期限(建設業許可の5年と毎年の届出、相続登記の3年、在留期間の満了3か月前)を書く
- 報酬額表を分野ごとに載せる
- 分野ごとに問いと答えを5問ほど作る
分野ごとの問いと答えは、その分野の人が実際に検索やAIに打つ文に近い形にします。次は問いの例です。
| 分野 | 問いの例 |
|---|---|
| 建設業許可 | 500万円未満の工事しか受けないが許可は要る?/更新の期限を過ぎたらどうなる?/決算後の届出を忘れていたら? |
| 相続 | 相続登記はいつまで?/遺産分割協議書は自分で作れる?/司法書士と行政書士のどちらに頼む? |
| 入管 | 本人が入管に行かなくてよい?/更新はいつから申請できる?/転職したら何の手続が要る? |
答えは、法令や役所の案内にもとづいて2〜4文で書き、最後に「くわしくはご相談ください」で終わらせず、期限・費用・必要な書類のどれかを具体的に入れます。答えの中で使った決まりは、条文の番号か役所のページの名前を添えると、読む人も確かめられます。
分野ごとのページは、titleと見出しに分野の名前と地域を入れ、1つのページで1つの分野だけを扱います。「〇〇市の建設業許可(新規・更新・毎年の届出)」「〇〇市の相続手続(遺産分割協議書・相続人調査)」のように書くと、検索やAIの回答で、どの分野のどの手続を扱っているかが伝わります。分野のページから問い合わせフォームへ進むときは、相談内容の選択肢を分野に合わせて初めから選んだ状態にしておくと、返事の前に担当を決められます。
問いと答えの書き方はFAQページの作り方、地域の入れ方は地域ページの作り方、Googleマップの事務所情報はGoogleビジネスプロフィールの登録と説明文にあります。SNSとホームページの役割の分け方はSNSとホームページの役割の違い、業種ごとにポータルと自社サイトのどちらが効くかは予約サイトに頼る業種と自社サイトが効く業種で比べています。同じ士業の税理士事務所が、料金表と原稿にどう費用をかけているかは税理士事務所のホームページ費用の相場が参考になります。
行政書士が分野ごとのページを作る手順
行政書士が分野ごとのページを作るときは、分野を選び、期限と範囲を書き、報酬額表を載せ、問いと答えを足し、既存の客への案内の仕組みまで整える順に進めます。次の7つの手順で進めます。
- 分野を選ぶ
実際に受けている業務から、許認可・相続・入管など、入口を分ける分野を選びます。 - 期限を最初に書く
建設業許可の5年と毎年の届出、相続登記の3年、在留期間の満了3か月前など、分野の期限を各ページの頭に書きます。 - 範囲を書く
行政書士が担う書類づくりと、司法書士・税理士・弁護士につなぐ手続を分けて書きます。 - 報酬額表を載せる
自社の報酬額表を分野ごとに載せ、実費を分けて書きます。 - 入管は取次と言語を書く
申請取次の届出の有無、対応できる言語、企業向けの流れを書きます。 - 問いと答えを作る
分野ごとに、実際に聞かれた質問から5問ほど作ります。 - 既存の客に案内する
許認可の客には毎年の届出と更新の時期を、入管の客には次の更新の時期を知らせる仕組みを作ります。
作ったあとは、分野ごとに問い合わせの数を数えます。問い合わせフォームの相談内容の選択肢を分野に合わせておけば、どの分野のページが働いているかが分かります。数え方は問い合わせ数の計測方法にあります。
よくある質問
- 行政書士は分野を1つに絞らないと集客できませんか?
絞る必要はありませんが、分野ごとに依頼する人と時期が違うので、入口とページは分けるほうが届きやすくなります。トップに業務名を並べるだけだと、どの分野の人にとっても自分向けのページに見えにくくなります。
- 申請取次の届出をしていない行政書士は、入管の業務を受けられますか?
書類の作成は行政書士の業務として受けられますが、届出をしていなければ取次はできません。その場合、原則として本人が地方出入国在留管理局に出向いて申請することになります。ページには届出の有無をはっきり書きます。
- 相続の相談で司法書士や税理士を紹介すると、行政書士は紹介料をもらえますか?
日行連の行政書士職務基本規則は、依頼者を紹介したことについて対価を求めてはならないとし、紹介を受けた対価を依頼者の報酬に上乗せすることも禁じています。連携はページに書けますが、紹介料の受け渡しは前提にしません。
- 建設業許可の更新の案内は、どれくらい前に送ればよいですか?
許可は5年ごとに更新しないと効力を失います。申請の受付期間や必要な書類は許可を出す都道府県などで決まっているため、その案内に合わせ、毎年の決算後の届出が済んでいるかも含めて早めに知らせます。
- 行政書士の報酬の相場は、どこで確かめられますか?
日本行政書士会連合会が5年に1度、報酬額の統計を調べて公表しています。令和7年度の調査(令和8年1月実施)の結果では、業務ごとに平均・最小値・最大値・最頻値が載っています。金額は消費税を含み、立替金は含みません。
- 500万円未満の工事しか受けない建設業者に、許可は要りますか?
建設業法施行令第1条の2は、1件の請負代金が500万円未満の工事(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅)を軽微な建設工事とし、これだけを請け負うなら許可は要らないとしています。契約を分けても、正当な理由がなければ合算して判断されます。
- 2026年の行政書士法改正で、行政書士のホームページに書けることは変わりましたか?
改正行政書士法(令和8年1月1日施行)の第19条は、行政書士でない者が「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」行政書士の業務を行えないと明記しました。この条文をもとに、官公署に出す書類の作成を報酬を得て業として行えるのは行政書士・行政書士法人だと、事実として書けます。
- 行政書士の報酬を、日行連の統計の平均と同じにしてもよいですか?
統計は自分の報酬がどのあたりにあるかを知る目安で、報酬は事務所ごとに決めるものです。行政書士職務基本規則は、事件の難易・時間・労力などに照らした適正な報酬を明示し、不当に安い報酬で受けないよう求めています。統計の平均を「相場」として自社の額のように見せる書き方は避けます。
- 相続の分野で、行政書士と司法書士のどちらに頼むかを、ページでどう案内すればよいですか?
相続登記の申請は司法書士、遺産分割協議書の作成や相続人の調査は行政書士も扱える、と分けて書きます。家族がどちらに先に相談しても進められるよう、連携している事務所があればその流れを書きます。相続人どうしで争いがある場合は弁護士への相談を案内します。
- 入管のページは外国語に訳したほうがよいですか?
全部を訳す必要はありませんが、本人の母語で短い案内があると、紹介された人がそのまま読めます。申請取次の届出の有無、扱う手続、連絡の方法、報酬の目安の4つがあれば足ります。日本語のページと内容をそろえ、改定のたびに両方を直します。
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URLを入れるだけで、検索とAIの回答で見つけてもらうための項目を無料で点検します。登録は要りません。
今のサイトを無料で診断する →ホームページを作りはじめる- 行政書士制度(行政書士法の一部を改正する法律 令和7年法律第65号)(総務省、2026年10月29日確認)
- 行政書士法(第1条の2・第19条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 行政書士職務基本規則(日本行政書士会連合会、令和8年7月15日施行・2026年10月29日確認)
- 建設業法(第3条・第11条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 建設業法施行令(第1条の2)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 相続登記の申請義務化に関するQ&A(法務省、2025年3月27日更新・2026年10月29日確認)
- 在留期間更新許可申請(出入国在留管理庁、2026年10月29日確認)
- 申請等取次者としての承認手続(出入国在留管理庁、2026年10月29日確認)
- 申請等取次制度(出入国在留管理庁、2026年10月29日確認)
- 弁護士法(第72条)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月29日確認)
- 報酬額の統計(日本行政書士会連合会、2026年10月29日確認)
- 令和7年度報酬額統計調査の結果(令和8年1月実施)(日本行政書士会連合会、2026年10月29日確認)