中小企業のホームページ開設率は?総務省の統計で見る現状
企業のホームページ開設率を毎年調べている公的な統計が、総務省の「通信利用動向調査」です。令和7年調査(2025年8月末時点、2026年5月29日公表)では、自社のホームページを開設している企業の割合は93.3%で、前年の93.2%から0.1ポイント上がりました(出典:総務省『令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)』(2026年))。
注意したいのは、この調査の対象が常用雇用者100人以上の企業だという点です。従業者が数人から数十人の会社や個人事業主は対象に入っていないため、小さな会社の開設率は同じ物差しでは分かりません。従業者規模別に見ると、いちばん小さい区分の「100〜299人」でも、3年続けて9割を超えています。
| 従業者規模 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 93.0% | 93.2% | 93.3% |
| 100〜299人 | 92.1% | 91.8% | 91.9% |
| 300〜499人 | 93.5% | 98.0% | 97.8% |
| 500〜999人 | 95.8% | 96.8% | 93.6% |
| 1,000〜1,999人 | 95.9% | 90.6% | 98.8% |
| 2,000人以上 | 100.0% | 97.4% | 93.6% |
出典:総務省『令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)』(2026年) 図表2-2「ホームページの開設状況の推移(時系列、従業者規模別)」。年は調査時点(令和5〜7年調査、各年8月末)
産業別では、情報通信業が100.0%、不動産業が97.5%、建設業が97.2%、金融・保険業が96.9%と高く、もっとも低い卸売・小売業でも91.4%です。
| 全体 | 93.3% |
|---|---|
| 情報通信業 | 100.0% |
| 不動産業 | 97.5% |
| 建設業 | 97.2% |
| 金融・保険業 | 96.9% |
| サービス業、その他 | 93.9% |
| 運輸業・郵便業 | 92.1% |
| 製造業 | 91.7% |
| 卸売・小売業 | 91.4% |
100人以上の企業では、ホームページを持つことが標準になっています。小さな会社がホームページを持たない場合、名前を調べた人の手元に残る材料は「他社の公式サイト」と「自社についての口コミやポータルサイトの掲載情報」だけ、という状態になります。
お客様は会社をどう探す?検索・スマホ・口コミの数字
ホームページの役割は、調べた人に答える場所を持つことです。総務省の同じ調査の世帯編では、6歳以上の個人のうちインターネットを利用した人は85.7%でした。インターネット利用者が何に使ったかを見ると、「SNS(無料通話機能を含む)の利用」82.3%、「電子メールの送受信」78.2%、「検索サービスの利用」77.5%の順です(出典:総務省『令和7年通信利用動向調査の結果』(2026年))。
使う機器はスマートフォンが中心で、スマートフォンでインターネットを利用した人は74.3%、パソコンは45.6%でした。お店や会社の名前を聞いた人の多くは、その場でスマホから検索して確かめます。
| 数字 | 何の割合か | 出典 |
|---|---|---|
| 85.7% | インターネットを利用した人(6歳以上の個人) | 総務省 令和7年通信利用動向調査 |
| 77.5% | インターネット利用者のうち、検索サービスを利用した人 | 総務省 令和7年通信利用動向調査 |
| 74.3% | スマートフォンでインターネットを利用した人(6歳以上の個人) | 総務省 令和7年通信利用動向調査 |
| 70.1% | インターネット上の口コミや評価が高い商品を選ぶ人(インターネット利用者) | 消費者庁 令和5年度消費者意識基本調査 |
出典:総務省『令和7年通信利用動向調査の結果』(2026年)、消費者庁『令和5年度消費者意識基本調査』(2023年11月調査、2024年6月公表)
口コミも判断の材料です。消費者庁の調査では、インターネット利用者4,439人のうち70.1%が「インターネット上の口コミや評価が高い商品を選ぶ」に当てはまると答えました。口コミで候補を絞った人が次に確かめに行くのが、料金や流れ、所在地といった公式の情報です。
AIによる検索でも、根拠になるのはウェブ上のページです。Google 検索セントラルは、AIによる概要やAIモードでページがリンクとして表示される条件を「ページがインデックスに登録されており、Google 検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしている」ことだと説明しています(出典:Google 検索セントラル『AI 機能とウェブサイト』2025年12月更新)。自社のページが無ければ、AIが自社について答えるときに使えるのは、他の人が書いた情報だけになります。
生成AIでお店や会社を探す人がどれくらいいるかは、ChatGPTでお店探しは増えている?で公的な調査の数字とあわせて書いています。
ホームページが無いと何が起きる?困る5つの場面
ホームページが無くても営業はできます。困るのは、名前を知った人が「確かめに来たとき」です。具体的には次の5つの場面があります。
- 名前で検索されたとき:検索結果に並ぶのはポータルサイトや口コミサイト、古い掲載情報だけになり、営業時間や料金などの今の情報を自分で示せません。
- 地図で見つけられたとき:Googleビジネスプロフィールには「ウェブサイト」の欄があります。ここが空だと、写真と口コミより詳しい説明を読んでもらう先がありません。
- AIに聞かれたとき:ChatGPTやGoogleのAIによる概要が答えを組み立てるとき、自社が書いた一次情報が無ければ、他のサイトの記述がそのまま使われます。
- 取引先や求職者が確かめるとき:所在地・代表者・事業内容・沿革を確かめる手段が限られ、問い合わせる前に不安が残ります。
- 以前のお客様がもう一度連絡したいとき:名刺やチラシをなくした人が、電話番号を探す先がありません。
どれも問い合わせの手前で起きることなので、本人は気づきにくいのが特徴です。電話が鳴らなかった理由は、記録に残りません。
逆に言えば、ホームページは「来た人の疑問に先回りして答える場所」として作ると役に立ちます。会社案内を載せるだけでなく、料金の目安、依頼の流れ、対応できる地域、よくある質問を書いておくと、確かめに来た人がそのまま問い合わせに進めます。
ホームページは持っているだけで十分?1,061サイト調査で見えた放置の実態
暖簾AIは2026年10月15日、ある事業者団体の公開名簿に載っている遺品整理・片付けなどの事業者1,069社の公式サイト(重複を除き1,061件)を機械的に調べました。トップページを取得できたのは863件でした。取得できなかった198件のうち123件はドメイン名が引けず、アドレスを入れても何も表示されない状態です。名簿に載っているURLの1割を超える数が、すでに使えなくなっていたことになります。
表示できた863件でも、検索とSNS共有の基本となる5項目(https・スマホ表示の指定・meta description・OGP画像・XMLサイトマップ)が全部そろうのは295件(34.2%)でした。
| 5項目すべて | 295件 |
|---|---|
| 4項目 | 311件 |
| 3項目 | 140件 |
| 2項目 | 74件 |
| 1項目 | 31件 |
| 0項目 | 12件 |
| 項目 | そろっている割合 | 欠けていると起きること |
|---|---|---|
| https で表示される | 86.8% | ブラウザによっては「保護されていない通信」と表示される |
| スマホ表示の指定(viewport) | 88.4% | スマホで文字が小さく、拡大しないと読めない |
| meta description(ページの説明文) | 84.1% | 検索結果の説明文が本文の一部から自動で作られる |
| OGP画像(og:image) | 47.2% | LINEやSNSで共有したとき、画像が出ないか意図しない画像が出る |
| XMLサイトマップ | 78.0% | 新しいページをGoogleに知らせる手段が1つ減る |
出典:暖簾AI調べ(2026年10月、中小事業者のサイト863件)
更新の止まり方も外から見えます。著作権表示(©)の年が書かれていた327件のうち、2023年以前のままだったのは162件で、863件全体の18.8%にあたります。また110件(12.7%)は、旧Googleアナリティクス(UA)のタグだけが残り、GA4のタグもGoogleタグマネージャーも無い状態で、アクセスの計測が止まっている可能性がありました。
※1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。
ホームページは作った時点で止まると、設定の古さがそのまま見えてしまいます。「必要かどうか」と同じくらい、「誰が、どのくらいの手間で持ち続けるか」を最初に決めておくことが大切です。
SNSやポータルサイトだけではだめ?ホームページとの役割の違い
SNSやポータルサイト、Googleビジネスプロフィールは、無料または少ない費用で始められ、人の目にも触れやすい場所です。一方で、書ける量や情報の持ち主がホームページとは違います。
| ホームページ | SNS | Googleビジネスプロフィール | ポータル・予約サイト | |
|---|---|---|---|---|
| 情報の持ち主 | 自社(ドメインを自社名義にした場合) | 運営会社の規約の範囲 | Googleのガイドラインの範囲 | 掲載先の規約の範囲 |
| 書ける量 | 制限なし | 投稿は時間とともに流れていく | 説明文は全角375文字以内 | 掲載枠の項目まで |
| 主な見つかり方 | 会社名・地域名・悩みの言葉での検索 | アプリの中のおすすめや検索 | 地図検索と会社名での検索 | そのサイトの中の検索 |
| 費用 | 制作費と維持費 | 無料(広告は有料) | 無料 | 掲載料がかかるものもある |
出典:Googleビジネスプロフィールの説明文の文字数は Google ビジネス プロフィール ヘルプ『ビジネス プロフィールを編集する』(2026年10月確認)
おすすめは「入口はSNSや地図、行き先はホームページ」という分け方です。SNSの投稿やGoogleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄からホームページへつなぎ、料金・流れ・よくある質問など、決める前に知りたいことをまとめて読めるようにします。
SNSは投稿が流れていくため、半年前に書いた料金の説明を新しいお客様が見つけるのは困難です。ホームページなら、同じ説明を同じ場所に置き続けられます。SNSとの使い分けはSNSだけでいい?1,061サイト調査の『LINEリンク33.6%』から見るホームページの役割、地図側の設定はGoogleビジネスプロフィールの登録方法で詳しく説明しています。
小さな会社は何から始める?ホームページの最低限チェックリスト
これから作る場合も、今あるサイトを見直す場合も、まず次の項目を確かめてください。
- 会社名・住所・電話番号が、名刺やGoogleビジネスプロフィールと同じ表記になっている
- スマホで開いて、拡大しなくても文字が読める(確かめ方はスマホ対応の確認方法)
- 電話番号をタップすると、そのまま発信できる
- 料金の目安、依頼の流れ、対応できる地域が書いてある
- 問い合わせの方法が2つ以上ある(電話とフォームなど)
- アドレスが https で始まる
- ページの題(title)と説明文(meta description)が設定されている
- ドメインの名義と更新期限を自社で把握している
- 著作権表示の年やお知らせの日付が、何年も前で止まっていない
何もない状態から作る場合は、次の順番で進めると手戻りが少なくなります。
- 載せる情報(事業内容・料金・流れ・対応地域・会社概要・よくある質問)を書き出す
- ドメインを自社名義で取得する
- スマホで読みやすい構成でページを作る
- Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄にURLを入れる
- Google Search Console に登録し、ページがGoogleに見つかったかを確かめる
制作にかかる費用の目安はホームページ制作の費用相場にまとめています。今あるサイトの状態を先に知りたい場合は、暖簾AIの無料診断にURLを入れると、検索とAI検索に関わる基本設定を確かめられます。
よくある質問
- 名刺代わりの1ページだけのホームページでも意味はある?
- 会社名・所在地・電話番号・事業内容が正しく載っていれば、名前で検索した人が確かめる先として役に立ちます。ただし料金や流れなど判断に必要な情報が無いと問い合わせにはつながりにくいため、あとからページを増やせる作りにしておくと安心です。
- ホームページを作ったら、すぐ検索に出る?
- すぐには出ません。暖簾AI自身のサイトは2026年8月28日に公開し(新しいサイトを出したのは8月29日)、9月2日にサイトマップを送信しましたが、10月9日時点のGoogleの集計でも登録済みは19ページ、未登録は10ページでした。
- 無料のホームページ作成サービスで作ってもよい?
- 小さく始めるには使えます。独自ドメインが使えるか、サービスをやめるときに文章や画像を持ち出せるかを先に確かめてください。
- ドメインは誰の名義にするべき?
- 自社の名義にしてください。制作を頼んだ相手の名義のままだと、契約を終えるときにアドレスを引き継げないことがあります。
あなたのサイトは、いま何点?
URLを入れるだけで、検索・AI検索・地図・表示の速さを同じ物差しで診断し、直すところを並べます。登録は不要です。ホームページをこれから作るなら、プロの制作陣が7日以内に公開します(全機能プラン月々8,800円・税込と同時申込で制作費0円)。
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