ホームページ制作を頼む前に何を決める?目的と載せる情報
準備の最初は、ホームページで見た人に何をしてほしいかを1つに決めることです。電話をかけてほしいのか、フォームで見積もりを頼んでほしいのか、予約してほしいのかで、目立たせる場所とページの構成が変わります。目的が決まったら、載せる情報を集めます。
| 情報 | 用意するもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| 事業者の基本情報 | 正式な名称・住所・電話番号・営業時間・定休日 | 名刺やGoogleビジネスプロフィールと表記をそろえる |
| サービスと料金 | サービスごとの説明、料金の目安と条件 | 税込で書く。金額が変わる条件も書く |
| 対応地域・日時 | 市区町村名、土日や夜間に対応できるか | 出張費などの条件があれば一緒に |
| 仕事の流れ | 問い合わせから完了までの手順 | それぞれにかかる日数の目安 |
| 人 | 代表・スタッフの名前、経歴、資格 | 名前や顔写真を載せる了解を本人に取る |
| よくある質問 | 電話や対面でよく聞かれる質問と答え | まず10問程度から |
| 問い合わせの窓口 | 電話・フォーム・LINEなど、届け先のメールアドレス | 受付時間と返事の目安 |
出典:暖簾AI作成の準備表
このうち、名称・住所・電話番号は、ホームページ・地図・SNSのどこでも同じ表記にしておくと、見る人も検索エンジンも同じ事業者だと判断しやすくなります。「株式会社」の有無、ビル名、電話番号のハイフンの位置まで一度決めて、メモにしておきます。
載せる情報が集まったら、ページの分け方の案も作っておきます。小さな事業者のサイトでは、次の7〜8ページから始めることが多くあります。
- トップ(何の事業者か・対応地域・問い合わせの入口)
- サービス(サービスごとの説明)
- 料金
- 仕事の流れ
- 会社概要・代表あいさつ
- よくある質問
- お問い合わせ
- プライバシーポリシー
見た目の好みを伝えるために、同業・異業種を問わず「いいな」と思うサイトを2〜3件選び、どこがよいと思ったか(色・写真の使い方・文字の大きさなど)を一言ずつメモしておくと、依頼先との受け止め方のずれが減ります。
そもそもホームページが要るかで迷っているときは、中小企業にホームページは必要?で公的な統計とあわせて書いています。
原稿はどこまで用意する?自分で書くべき話と法律で決まった表示
文章は依頼先に整えてもらえることが多いものの、事業の中身を一番知っているのは自分です。次の話は、箇条書きや話し言葉のメモで構わないので、自分で用意します。
- どんなお客様の、どんな困りごとを解決しているか
- ほかの事業者との違い(作業の進め方、使う道具、対応の早さなどを具体的な事実で)
- 料金の目安と、金額が変わる条件
- 実際の仕事の例(場所や個人が特定されない形で)
- 開業の経緯や、仕事で大切にしていること
経験に基づく具体的な話は、ほかのサイトにはない、その事業者にしか書けない情報になります。依頼先が整えるのは言い回しで、中身を作れるのは事業者だけです。
事業によっては、法律で表示が決まっている情報もあります。インターネットで商品やサービスの申込みを受ける場合は、特定商取引法の「通信販売」に当たることがあります。消費者庁の特定商取引法ガイドは、インターネット上のホームページによる広告も通信販売の広告に含め、販売価格(送料を含む)、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回や解除に関する事項(返品特約を含む)、事業者の氏名(名称)・住所・電話番号などの表示を求めています(出典:消費者庁『特定商取引法ガイド 通信販売』)。当てはまる場合は、これらを原稿の段階でそろえておきます。詳しくは特定商取引法に基づく表記の記事で説明しています。
問い合わせフォームで名前や連絡先を受け取る場合は、個人情報保護法第21条第2項により、あらかじめ本人に利用目的を明示する必要があります(出典:個人情報保護法、e-Gov法令検索)。利用目的を書いたプライバシーポリシーも、原稿と一緒に用意します。書き方はプライバシーポリシーの記事にまとめています。個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
写真は何を用意する?使ってよい写真の確かめ方
写真は、文章以上に「どんな人が、どんな場所でやっているか」を伝えます。用意したい写真は次のとおりです。
- 外観と入口(来てもらう業種では、迷わないための目印になる)
- 店内・事務所・作業場
- 作業中の様子
- 代表とスタッフ
- 商品や仕事の例(施工の前後など)
- 使っている道具や車両
同じ場面を横長と縦長の両方で撮っておくと、パソコンとスマホの両方で配置しやすくなります。SNSやLINEでページが共有されたときに出る画像(og:image)用に、横長で見栄えのよい1枚も決めておきます。暖簾AIの調査(2026年10月、中小事業者のサイト863件)では、この共有用の画像を設定しているサイトは47.2%でした。1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。
写真を使ってよいかは、誰が撮ったかで決まります。著作権法は著作物の例に「写真の著作物」を挙げ(第10条第1項)、著作者を「著作物を創作する者」と定め(第2条第1項第2号)、権利を持つのに「いかなる方式の履行をも要しない」としています(第17条第2項)。登録などをしていなくても、写真には撮った人の権利があるということです。
| 写真の出どころ | 使う前に確かめること |
|---|---|
| 自分や社員が仕事で撮った写真 | 写っている人に、掲載の了解を取る |
| カメラマンに頼んだ写真 | ホームページやSNSで使える範囲を、契約や見積書で確かめる |
| 知人や家族が撮った写真 | 撮った人に、ホームページで使う了解をもらう |
| 写真素材のサイトの写真 | 素材ごとの利用規約(商用利用・加工・クレジット表記の条件) |
| ネットで見つけた他人の写真 | 撮った人の許諾がない限り使わない |
出典:著作権法(e-Gov法令検索)をもとに暖簾AI作成
ドメインとアカウントは誰の名義にする?引き継げる形で持つ
暖簾AIは2026年10月15日、遺品整理・片付けなどを手がける事業者団体の公開名簿に載る1,061件の公式サイトを機械的に調べました。このうち198件はトップページを表示できず、理由の内訳は次のとおりでした。
| ドメイン名が引けない | 123件 |
|---|---|
| ページがない(404) | 29件 |
| アクセスを拒否(403) | 18件 |
| 証明書の不備 | 9件 |
| 時間切れ | 6件 |
| その他 | 13件 |
最も多かったのは、ドメイン名が引けない(そのアドレスがインターネット上で見つからない)123件で、1,061件の11.6%に当たります。サイトを閉じた場合のほか、ドメインの更新が止まった場合や、名簿に古いアドレスが残っている場合にもこの状態になります。ドメインの更新は年単位の支払いで続くため、支払いや名義が依頼先任せだと、気づかないうちに止まることがあります。
ドメインは、自社でも取得できます。JPRSの説明では、汎用JPドメイン名は個人でも組織でも、日本に住所があれば誰でも登録でき、登録できる数に制限はありません(出典:JPRS『JPドメイン名の種類』)。取得の作業を依頼先に頼む場合も、次の表のように名義と権限を自社で持っておきます。
| アカウント | 名義・権限 | 確かめること |
|---|---|---|
| ドメイン | 登録者を自社にする | 更新期限、自動更新の有無、支払い方法 |
| サーバー(サービス型ならその契約) | 契約者を自社にする | 支払い方法と、更新期限の通知先 |
| サイトの管理画面 | 管理者のアカウントを自社にも1つ | 依頼先の担当が変わってもログインできるか |
| Googleビジネスプロフィール | オーナーを自社にする | 依頼先は管理者として追加する |
| Search Console・Googleアナリティクス | 所有者・管理者を自社にする | 依頼先には必要な権限だけを渡す |
| SNS・LINE公式アカウント | 自社のメールアドレスで登録する | 2段階認証の連絡先が自社か |
出典:暖簾AI作成の確認表
依頼先が作った文章・デザイン・写真の扱いも、契約で確かめておきます。著作権法第61条は「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」と定めており、どこまでを自社に移すか、または使ってよいかは契約の書き方で決まります。期限切れの確かめ方はドメインの期限切れの記事で説明しています。
何で作るかによって、将来ほかのサービスへ移せるかが変わります。WordPress と Wix・Jimdo・Studio・ペライチの違いは、作成ツールの比較と選び方で詳しく書いています。
依頼先に何を聞く?見積もりと契約で確かめること
準備物がそろったら、依頼先を比べる段階です。見積もりと契約では、次のことを確かめます。
- 費用の内訳:制作の費用と、公開後に毎月・毎年かかる費用(サーバー・ドメイン・更新の費用)を分けて出してもらう
- 公開までの期間:自分が原稿や写真を出す期限と、公開日の目安
- 修正の範囲:公開前の修正は何回・どこまで含まれるか
- 公開後の更新:文章や写真を自分で直せるか、頼む場合の費用と受付の方法
- 解約・移行のとき:解約するときに、サイトのデータやドメインを受け取れるか
- 作った物の扱い:文章・デザイン・写真を、契約が終わったあとも使えるか
契約の前に確かめたい項目は、契約前に確かめたい21項目に一覧でまとめています。
依頼の前日に何を確かめる?準備物チェックリスト
最後に、ここまでの準備を1つのチェックリストにまとめます。全部そろっていなくても依頼はできますが、そろっている項目が多いほど、確認のやり取りが減ります。
- ホームページの目的(電話・見積もり・予約など)を1つに決めた
- 名称・住所・電話番号・営業時間の表記を決めた
- サービスと料金の目安、金額が変わる条件を書き出した
- 対応地域と、仕事の流れを書き出した
- ページ構成の案と、参考にしたいサイトをメモした
- よくある質問を10問程度、答えと一緒に書き出した
- 写真を、出どころと掲載の了解を確かめたうえでフォルダにまとめた
- 共有用の横長の写真を1枚決めた
- ネットで申込みを受ける場合は、特定商取引法の表示事項をそろえた
- フォームを置く場合は、プライバシーポリシーの内容を決めた
- ドメイン・サーバー・各アカウントの名義とログインを自社で持っている
暖簾AIの作成ページでは、画面の質問に答えて写真を添える形で注文でき(画面で約30分・打ち合わせなし)、制作陣(人)が7日以内に公開します。
よくある質問
- 原稿が書けない場合はどうすればいいですか?
- 箇条書きや、話した内容のメモで十分なことが多くあります。依頼先が文章をどこまで整えてくれるかを、見積もりの段階で確かめておきます。
- スマホで撮った写真でも使えますか?
- 明るい時間に、ピントと水平を合わせて撮れば使えることが多くあります。同じ場面を横長と縦長の両方で撮っておくと、配置の自由が増えます。
- 写真素材のサイトの写真を使ってもいいですか?
- 使えますが、素材ごとの利用規約で、商用利用・加工・クレジット表記の条件を確かめます。規約は変わることがあるため、ダウンロードした日と規約の内容を控えておきます。
- ドメインの取得を依頼先に頼んでもいいですか?
- 取得の作業を頼むのは構いませんが、登録者の名義は自社にし、管理画面のログインと更新期限を自社でも把握しておきます。依頼先の名義のままだと、依頼先を変えるときに手続きの手間が増えます。
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