このページでは「スマホで開くと遅い」という表示性能の問題を調べます。文字の小ささ・表の横はみ出し・ボタンの押しにくさは、速さとは別に操作して確認します。まず表示速度を測り、必要に応じてスマホ対応の確認ガイドも使ってください。
表示速度の目安は?Core Web Vitals の3つの基準
Google は、ページの使いやすさを測る指標として Core Web Vitals を定めています。表示の速さ(LCP)、操作への反応(INP)、画面のずれ(CLS)の3つで、それぞれに「良好」「改善が必要」「不良」の境目があります。
| 指標 | 何を測るか | 良好 | 改善が必要 | 不良 |
|---|---|---|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | 画面の中で一番大きな写真や文章のかたまりが表示されるまでの時間 | 2.5秒以下 | 4秒以下 | 4秒超 |
| INP(Interaction to Next Paint) | タップやクリックをしてから画面が反応するまでの時間 | 200ミリ秒以下 | 500ミリ秒以下 | 500ミリ秒超 |
| CLS(Cumulative Layout Shift) | 読み込みの途中で画面の部品がずれる量 | 0.1以下 | 0.25以下 | 0.25超 |
出典:Google Search Console ヘルプ『Core Web Vitals レポート』、web.dev『ウェブに関する主な指標』(2024年10月31日更新)
判定には「75パーセンタイル」を使います。web.dev は「モバイル デバイスとデスクトップ デバイスに分割されたページ読み込みの 75 パーセンタイルを測定するのが適切なしきい値」としています(出典:web.dev『ウェブに関する主な指標』2024年)。訪問の4回に3回がその値より速ければ、その値で評価されるという意味で、一部の速い訪問だけでは「良好」になりません。
INP は2024年に、主な指標の一つになりました。以前の FID に代わる指標です。古い解説で FID の基準を見かけたら、INP に読み替えてください。
なぜスマホの結果を先に見る?インターネット利用の実態
総務省の令和7年通信利用動向調査(2026年5月29日公表)では、インターネットの利用を端末別に見ると「スマートフォン」が「パソコン」を28.8ポイント上回っています。スマートフォンを保有している世帯の割合は91.8%でした。年齢別では、スマートフォンでの利用は20〜59歳の各年齢層で約9割と報告されています(出典:総務省『令和7年通信利用動向調査の結果』2026年)。
Google の評価もスマホとパソコンを分けています。Search Console のヘルプは、Core Web Vitals レポートがモバイルとパソコンで分かれており、同じ URL でも端末によって状態が異なることがあると説明しています。パソコンでは速いのにスマホでは遅い、というのはよくある組み合わせです。お店を探す人の多くが手元のスマホで開くことを考えると、まずスマホの結果から確かめるのが順当です。
| 見る順番 | 理由 |
|---|---|
| 1. スマホのフィールドデータ | 実際に訪れた人の多くが使う端末で、実際の速さが分かる |
| 2. スマホのラボデータ(点数) | 何が遅くしているかの手がかりが並ぶ |
| 3. パソコンの結果 | スマホを直したあとで差を確かめる |
中小事業者のサイトの応答時間はどれくらい?863サイトの調査
暖簾AIは2026年10月15日に、ある事業者団体の公開名簿に載る遺品整理・片付けなどの事業者のサイト1,061件を機械的に取得し、トップページを取得できた863件を集計しました。ここで測ったのは、トップページの HTML を1回取得し終えるまでの秒数です。
暖簾AIの調査(2026年10月、中小事業者のサイト863件)では、中央値は0.49秒で、435件(50.4%)が0.5秒未満でした。一方、1秒以上かかったサイトは215件(24.9%)、3秒を超えたサイトは29件(3.4%)ありました。
| 0.5秒未満 | 435件 |
|---|---|
| 0.5〜1秒 | 213件 |
| 1〜2秒 | 141件 |
| 2〜3秒 | 45件 |
| 3秒以上 | 29件 |
この数字は LCP ではありません。HTML はページの骨組みで、写真や文字の形(フォント)、動きを付けるプログラムはその後から読み込まれます。HTML が届くのが遅いサイトは、その後のすべてが遅れるため、LCP の2.5秒に間に合わせるのが難しくなります。逆に HTML が0.5秒未満で届いても、大きな写真が重ければ LCP は遅くなります。応答時間は「サーバー側に問題が無いか」を見る入口、LCP は「人が待たされていないか」を見る本番、と分けて考えます。
| トップの HTML の取得時間 | 件数 | 863件中の割合 |
|---|---|---|
| 0.5秒未満 | 435件 | 50.4% |
| 0.5〜1秒 | 213件 | 24.7% |
| 1〜2秒 | 141件 | 16.3% |
| 2〜3秒 | 45件 | 5.2% |
| 3秒以上 | 29件 | 3.4% |
出典:暖簾AI調べ(2026年10月、中小事業者のサイト863件)
この調査は、1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。取得は1回ずつのため、その時点の回線やサーバーの混み具合の影響も受けています。
PageSpeed Insights でどう測る?手順と画面の見方
PageSpeed Insights(PSI)は、Google が提供する無料の測定ツールです。Google の説明では、PSI は「モバイルとパソコンの両方のデバイスでページのユーザー エクスペリエンスに関するレポート」を出し、ラボデータとフィールドデータの両方を確かめられます(出典:Google for Developers『PageSpeed Insights について』2025年)。
- PageSpeed Insights を開きます。
- 測りたいページの URL を入れて分析します。トップだけでなく、問い合わせが多いページや写真の多いページも測ります。
- モバイルの結果を開き、上のほうにある実際のユーザーのデータ(フィールドデータ)で、Core Web Vitals の評価が合格か不合格かを見ます。
- LCP・INP・CLS のどれが「良好」に届いていないかを確かめます。
- 下のほうのパフォーマンスの点数(ラボデータ)と、その下に並ぶ診断の項目を見て、遅くしている原因の候補を探します。
- パソコンの結果に切り替えて、同じように見ます。
| 項目 | フィールドデータ | ラボデータ(点数) |
|---|---|---|
| 元のデータ | 実際に訪れた Chrome 利用者の記録 | Lighthouse による模擬の読み込み |
| 期間 | 過去28日間 | 測ったその1回 |
| 判定 | 3指標の75パーセンタイルがすべて良好なら合格 | 90以上が良好、50〜89が改善が必要、50未満が不良 |
| 向いている使い方 | 本当に速いかの判断 | 原因探しと、直したあとの比較 |
出典:Google for Developers『PageSpeed Insights について』(2025年7月25日更新)、web.dev『ウェブに関する主な指標』
Google によると、INP のデータが足りない場合は、LCP と CLS が良好なら合格になります。ページ単位のデータが足りないとサイト全体(オリジン)単位のデータに切り替わり、それも足りなければフィールドデータは表示されません。訪問の少ないサイトでは、フィールドデータが出ないことは珍しくありません。その場合はラボデータを手がかりにします。web.dev は、ラボの測定は大切だが「フィールドでの測定の代わりにはなりません」と書いており、Lighthouse では INP を測れないことにも触れています。
Search Console ではどう見る?サイト全体の傾向をつかむ
PSI が1ページずつ測るのに対し、Search Console の Core Web Vitals レポートは、サイトの中の似たページをまとめたグループごとに状態を示します。登録の仕方はSearch Consoleはどう登録する?公式ヘルプの手順と自社で見た『最初の3レポート』を参照してください。
- Search Console で Core Web Vitals レポートを開きます。
- 全体の推移のグラフを見て、モバイルとパソコンのどちらかの「レポートを開く」を押します。
- 「不良」や「改善が必要」の問題を開き、例として挙がった URL を PSI で測ります。
- 直したら、問題の詳細のページで「トラッキングを開始」を押します。28日間の監視が始まり、その間に問題が出なければ解決とみなされます。
ヘルプによると、このレポートは実際のユーザーのデータ(CrUX)をもとにしており、選んだ端末について意味のあるデータが足りないと「データがありません」と表示されます。小さな事業者のサイトでは、このレポートが空のままでも異常ではありません。また「トラッキングを開始」は監視を始めるだけで、Google に再びインデックス登録を頼む操作ではありません。
表示が遅いときはどこから直す?よくある原因と順番
原因はサイトごとに違うため、PSI の診断に出た項目と、どの指標が届いていないかを照らし合わせて直します。中小事業者のサイトで確かめたい順に並べると次の通りです。
- 最初に見える大きな写真が重い(LCP):表示する大きさに合わせて縮小し、ファイルを軽くします。スマホで横幅いっぱいに出す写真を、カメラで撮ったままの大きさで載せていないかを確かめます。
- HTML が届くのが遅い(LCP):上の調査の応答時間が1秒を超えるようなら、サーバーの性能や、ページを作る仕組みの重さを疑います。サーバーの会社や制作会社に相談する項目です。
- 写真や広告の場所が後から決まる(CLS):画像の幅と高さを指定し、後から差し込まれるバナーやお知らせの場所を先に確保します。
- 外部の部品やプラグインが多い(INP・LCP):チャット、SNS の埋め込み、使っていないプラグインなどを見直します。
速さだけを追いすぎないことも大切です。Google は「Google のランキング システムでは Core Web Vitals が使用されます」としつつ、Search Console の Core Web Vitals レポートで良い結果が得られても、検索で上位に表示されることが保証されるわけではないとしています。さらに、検索は「常に最も関連性の高いコンテンツが表示されるように設計されています」と説明しています(出典:Google 検索セントラル『ページ エクスペリエンスと Google 検索結果への影響』2026年)。目標は点数の満点ではなく、フィールドデータで3指標が「良好」に入ることです。
暖簾AIの運用アプリのサイトの診断と点数には、SEO などと並んで表示の速さが含まれています。無料診断でも、URL を入れると、表示を待たせている CSS や読み込み中のガタつきの原因など、ページの作りから分かる遅さの原因を確かめられます。
よくある質問
- PageSpeed Insights の点数が測るたびに変わるのはなぜですか?
- 点数は Lighthouse による模擬の読み込みで計算され、Google はネットワークや端末の状況によって同じページでも結果が変わることがあると説明しています。直す前と後を比べるときは、何回か測って傾向で見ます。
- 点数が100点でないと検索で不利になりますか?
- Google は Core Web Vitals をランキング システムで使うとしていますが、良い結果でも上位表示は保証されず、検索は関連性の高いコンテンツを表示するよう設計されていると説明しています。満点よりも、実際のユーザーのデータで3指標が良好に入ることを目標にします。
- スマホだけ遅いのはなぜですか?
- Core Web Vitals は端末ごとに分けて評価され、同じ URL でも端末によって状態が異なることがあります。スマホは回線や端末の性能の差が大きいため、パソコンより遅く出ることがよくあります。スマホだけ遅いときは、まず最初に見える大きな写真が、表示する大きさに合わせて縮小されているかを確かめます。
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