SSL化(https)とは?何を守り、何を守らない?
SSL化とは、ホームページの URL を http:// から https:// に変え、閲覧する人のブラウザとサーバーの間の通信を暗号化することです。いま https で使われている仕組みは TLS で、SSL はその前の世代の名前ですが、「SSL化」という言い方が広く残っています。
暗号化していない通信の危うさについて、Google の Chrome セキュリティ チームは、リンクが https を使っていないと、攻撃者が移動先を乗っ取り、攻撃者の用意した内容を読み込ませることができ、マルウェアや標的型の攻撃、だます手口にさらされる、と説明しています(出典:Google『HTTPS by default』2025年)。
| 項目 | http | https |
|---|---|---|
| 通信の中身 | 暗号化されない | 暗号化される |
| Chrome のアドレス欄(Chrome 68 以降) | 「保護されていない(Not secure)」と表示 | 警告なし |
| Chrome 154 以降の初期設定 | 初めて開く前に利用者の許可を求める | そのまま開く |
| 問い合わせフォームの送信内容 | 経路の途中で読まれるおそれがある | 経路が暗号化される |
出典:Chromium Blog『A secure web is here to stay』(2018年2月8日)、Google『HTTPS by default』(2025年10月28日)
一方で、https が示すのは通信の経路が守られていることだけです。サイトの運営者が信頼できるかどうか、サーバーの中のデータが安全かどうかまでは示しません。鍵のマークは「最低限の条件を満たしている」という意味で受け取るのが正確です。
SSL化していないと何が起きる?ブラウザ・集客・法令の3つの面
ブラウザ:警告が出る
Chrome は2018年2月、2018年7月の Chrome 68 から、すべての http のサイトを「not secure(保護されていない)」と表示すると発表し、その通りアドレス欄に警告を出すようになりました(出典:Chromium Blog『A secure web is here to stay』2018年)。
さらに Google は2025年10月28日、2026年10月の Chrome 154 のリリースで「Always Use Secure Connections」の設定を初期状態で有効にすると発表しました。この設定では、https でない公開サイトに初めてアクセスする前に、Chrome が利用者の許可を求めます。警告が出るのは、新しく訪れるサイトか、最近訪れていないサイトだけとされています(出典:Google『HTTPS by default』2025年)。
集客:初めての人ほど止まる
警告の対象が「初めて、または久しぶりに訪れるサイト」であることは、集客の面で重い意味を持ちます。検索結果や地図、SNS のリンクから初めて訪れる見込み客の前に、ページより先に確認の画面が出るためです。常連の人には出ず、新しいお客様にだけ出るので、持ち主が自分のパソコンで見ても気づきにくい問題です。
同じ発表の中で Google は、Chrome での https の利用が2015年ごろの30〜45%から、2020年ごろには95〜99%の範囲になったと説明しています。訪れる人の多くは、警告の出ないサイトに慣れている状態です。
法令:個人情報を受け取るなら安全管理措置
問い合わせフォームで氏名や電話番号を受け取るサイトは、個人情報保護法の安全管理措置にも関わります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、技術的安全管理措置として「情報システムの使用に伴う個人データの漏えい等を防止するための措置を講じ、適切に運用しなければならない」と定め、手法の例示に「個人データを含む通信の経路又は内容を暗号化する」を挙げています(出典:個人情報保護委員会『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)』2016年(平成28年)11月、2026年(令和8年)6月一部改正)。
例示は「この方法でなければならない」という意味ではありませんが、フォームの送信内容を暗号化しない理由を説明するのは難しくなります。自社の扱いが法令に沿っているかの個別の判断は、弁護士など専門家に確認してください。プライバシーポリシーの考え方はホームページのプライバシーポリシーは必要?で扱っています。
SSL化しているサイトはどれくらい?863サイトの実態
暖簾AIは2026年10月15日に、ある事業者団体の公開名簿に載る遺品整理・片付けなどの事業者のサイト1,061件を機械的に取得し、トップページを取得できた863件を集計しました。
暖簾AIの調査(2026年10月、中小事業者のサイト863件)では、https で表示されたのは749件(86.8%)、http のままだったのは114件(13.2%)でした。https のサイトのうち54件(863件中の6.3%)は、ページの中で http の画像・スクリプト・スタイルシートを読み込んでいました。このような「混在コンテンツ」があると、https にしていても警告が出ることがあります(次の章で説明します)。
| https・混在なし | 695件 |
|---|---|
| https だが http の画像等を読む | 54件 |
| http のまま | 114件 |
地域別の https の割合は次の通りで、最も低い中部でも8割を超えています。
| 地域 | 集計したサイト | https の割合 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 102件 | 87.3% |
| 関東 | 287件 | 88.9% |
| 中部 | 148件 | 83.1% |
| 近畿 | 157件 | 85.4% |
| 中国・四国 | 59件 | 86.4% |
| 九州・沖縄 | 77件 | 85.7% |
出典:暖簾AI調べ(2026年10月、中小事業者のサイト863件)
集計の外にも、https に関わる問題がありました。名簿の1,061件のうち9件は、サーバー証明書の検証に失敗したり、暗号化の接続が成立しなかったりして、トップページを取得できませんでした。ブラウザで開くと警告の画面になる状態です。
この調査は、1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。
自分のサイトは https?どう確かめる?
次の4つを、パソコンとスマホの両方で確かめます。
- アドレス欄を見る:Chrome でトップページを開き、アドレス欄に「保護されていない」などの警告が出ていないかを見ます。
- http で開いてみる:アドレス欄に
http://から始まる自分の URL を手で入れて開きます。https://に自動で切り替われば転送が設定されています。http のまま開く場合は、https があっても使われていない状態です。 - 下のページも見る:問い合わせフォーム、料金、会社概要など、トップ以外のページも同じように確かめます。フォームのページだけ http というサイトもあります。
- 混在コンテンツを探す:https なのに警告が出るときは、ページのソースを表示し、
src="http://やhref="http://を検索します。画像や読み込みファイルの URL が http で書かれていれば、それが原因の候補です。
混在コンテンツについて、web.dev は「ページの最初の HTML が安全な HTTPS 接続で読み込まれるものの、他のリソース(画像、動画、スタイルシート、スクリプトなど)が安全でない HTTP 接続で読み込まれる場合」と定義しています。画像などの受動的な混在でも「ほとんどのブラウザではアドレスバーにページが安全でないことが示されます」とし、スクリプトなどの能動的な混在は、ほとんどのブラウザが初期設定でブロックすると説明しています(出典:web.dev『混合コンテンツとは』2019年)。ブロックされると、ボタンやフォームが動かなくなることがあります。
| 見えた状態 | 考えられる原因 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 「保護されていない」と出る | http のまま、または混在コンテンツ | 証明書の設定、ページ内の URL |
| http で開くと http のまま | http から https への転送が無い | サーバーの転送設定 |
| 開く前に警告の画面が出る | 証明書の期限切れ・設定の誤り | サーバーの証明書の設定 |
| https だが一部の画像やボタンが動かない | 能動的な混在コンテンツのブロック | 読み込むファイルの URL |
http から https へはどう切り替える?手順と注意点
Google は、http から https への変更を「URL の変更を伴うサイト移転」の例として扱っています(出典:Google 検索セントラル『URL の変更を伴うサイト移転』2026年)。次の順で進めます。
- 証明書を設定する:契約しているサーバーやホームページ作成サービスの管理画面に、SSL(https)の設定項目があるかを確かめます。無料で使える証明書を用意しているサービスもあります。
- https で全ページが開けるか確かめる:トップだけでなく、フォームや下のページも開きます。
- サイトの中の URL を https に直す:ページ同士のリンク、画像、読み込むファイルの URL を https に揃え、混在コンテンツを無くします。WordPress なら、一般設定にあるサイトの URL も https に変えます。
- http から https へ転送する:Google は「元の URL から新しい URL へのサーバーサイドの永続的なリダイレクト」(301)を勧め、「リダイレクトをできるだけ長く保持します」としています。
- canonical とサイトマップを直す:各ページの canonical や、XMLサイトマップに書いた URL を https に揃えます。
- Search Console で確かめる:Google は「Search Console で新旧の両サイトを確認」するよう書いています。登録の仕方はSearch Consoleの登録方法を参照してください。
- 外に出ている URL を直す:Googleビジネスプロフィール、SNS のプロフィール欄、名刺やチラシの QR コードなど、自分で管理できる場所の URL を https に変えます。
Google は「移転中は、検索でのコンテンツ掲載順位が一時的に変動することがあります」とも書いています。切り替えは、問い合わせの多い時期を避けて行うと落ち着いて確かめられます。
証明書の期限と暗号の設定、運用で気をつけることは?
https は一度設定すれば終わりではありません。サーバー証明書には有効期間があり、更新されないと、ブラウザは開く前に警告の画面を出します。先に書いた通り、暖簾AIの調査では名簿の1,061件のうち9件が証明書や暗号化の接続の不備で取得できませんでした。
- 証明書が自動で更新される設定になっているかを、サーバーの管理画面で確かめる
- 証明書の更新のお知らせが届くメールアドレスが、今も読まれているかを確かめる
- サーバーを移したり、作成サービスを変えたりしたら、https の設定と転送が引き継がれたかを確かめる
- 制作会社に任せている場合は、証明書の更新が契約の範囲に入っているかを確かめる
暗号の細かな設定については、IPA(情報処理推進機構)が CRYPTREC で作成した『TLS暗号設定ガイドライン』を公開しています。最新版は第3.1.1版(2025年4月25日公開)で、TLS サーバーの構築者・運営者向けに「高セキュリティ型」「推奨セキュリティ型」「セキュリティ例外型」の3つの設定基準を示し、特段の要求がなければ推奨セキュリティ型の採用を勧めています(出典:IPA『TLS暗号設定ガイドライン』2025年)。レンタルサーバーやホームページ作成サービスでは、この設定は提供する会社が行うため、利用者が確かめるのは主に上の4点です。
暖簾AIの無料診断は、URL を入れるとサイトを診断します。https とあわせて、検索とAI検索の基本設定を確かめたいときに使えます。
よくある質問
- 問い合わせフォームが無いサイトでも https は必要ですか?
- 必要です。Chrome は Chrome 68 から http のサイトをすべて「保護されていない」と表示しており、Chrome 154 からの初回アクセス前の確認も、フォームの有無に関係なく https でない公開サイトが対象です。
- https に切り替えると、検索の順位は下がりませんか?
- Google は http から https への変更を URL の変更を伴うサイト移転として扱い、移転中は掲載順位が一時的に変動することがあるとしています。301 の転送をできるだけ長く残し、サイトマップと canonical を新しい URL に揃えておきます。
- 鍵のマークがあれば安全なサイトと言えますか?
- 鍵のマークが示すのは、ブラウザとサーバーの間の通信が暗号化されていることです。運営者が信頼できるか、内容が正しいかまでは示しません。
- SSL と TLS は違うものですか?
- いまの https で使われているのは TLS という仕組みで、SSL はその前の世代の名前です。「SSL化」は、サイトを https にすることを指す言葉として今も使われています。
あなたのサイトは、いま何点?
URLを入れるだけで、検索・AI検索・地図・表示の速さを同じ物差しで診断し、直すところを並べます。登録は不要です。ホームページをこれから作るなら、プロの制作陣が7日以内に公開します(全機能プラン月々8,800円・税込と同時申込で制作費0円)。
今のサイトを無料で診断する →ホームページを作りはじめる- A secure web is here to stay(Chromium Blog(Google)、2018年2月8日)
- HTTPS by default(Google(Chrome Security Team)、2025年10月28日)
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会、2016年11月(2026年6月一部改正))
- TLS暗号設定ガイドライン 安全なウェブサイトのために(暗号設定対策編)第3.1.1版(独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、2025年4月25日)
- URL の変更を伴うサイト移転(Google 検索セントラル、2026年9月11日更新)
- 混合コンテンツとは(web.dev(Google)、2019年9月7日更新)