このページは、ホームページに掲載する写真・イラストを選ぶときの権利確認を扱います。検索で見つけた画像、自社で撮った写真、素材サイトの画像を同じ条件で判断せず、以下の出典と各素材の利用条件を確認してください。画像の説明文の書き方はalt属性の記事に分けています。
写真やイラストの著作権とは?©が無くても守られる理由
著作権法は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義し(第2条第1項第1号)、例として「写真の著作物」「絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物」「地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物」などを挙げています(第10条第1項)。文化庁の著作権テキストは、スマートフォンで撮影した写真など、日常生活で作ったものも定義を満たせば著作物になると説明しています(出典:文化庁『著作権テキスト-令和8年度版-』2026年5月)。
著作権は、申請や登録をしなくても、著作物が創られた時点で自動的に付与されます。これを「無方式主義」といい、条文でも「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」と定められています(第17条第2項)。同テキストは、書籍やサイトの片隅に見られる「©」の表示について、登録を求めていた国との関係で設けられた仕組みで、すべての加盟国が無方式主義の条約に加わった現在では「法律的な意味はほとんどなくなっています」と説明しています。©が付いていない画像でも、著作権が無いわけではありません。
保護期間は原則として著作者の死後70年です(第51条第2項)。2018年12月30日に、それまでの死後50年から70年に延長されました(出典:文化庁『著作権テキスト』)。インターネット上にある写真やイラストの多くは保護期間中だと考えて扱うのが安全です。
自分のサイトの©表示も見ておきましょう。暖簾AIの調査(2026年10月、中小事業者のサイト863件)では、トップページの著作権表示に年が書かれていたサイトは327件(37.9%)で、その年の内訳は次のとおりでした。
| 2019年以前 | 69件 |
|---|---|
| 2020年 | 19件 |
| 2021年 | 24件 |
| 2022年 | 20件 |
| 2023年 | 30件 |
| 2024年 | 28件 |
| 2025年 | 19件 |
| 2026年 | 117件 |
この調査は、ある事業者団体の公開名簿に載る遺品整理・片付けなどの事業者のサイトが対象です。1つの業種の事業者団体の名簿から抽出したため、全業種の平均とは異なる可能性があります。判定はトップページのみ・機械的なもので、下層ページの設定は含みません。年が2023年以前のサイトは162件(863件中18.8%)でした。©の年が古いこと自体は法律上の問題ではありませんが、訪問者には更新が止まったサイトに見えることがあります。目安は「ホームページの更新頻度の目安」で書いています。
ホームページで使ってよい画像はどれ?素材ごとの判断表
ホームページに画像を載せることは、著作物の複製と、インターネットを通じた公衆送信に当たります。他人の著作物を使うには、例外(権利制限規定)に当たる場合を除いて著作権者の了解が必要です。よくある素材ごとに整理すると次のようになります。
| 素材 | 使えるか | 確かめること |
|---|---|---|
| 自分で撮った写真 | 使える | 人が写っている場合は、その人の了解(次の章) |
| 従業員が仕事で撮った写真 | 多くの場合使える | 会社の発意で職務上作成し、会社の名義で公表するものは、契約や勤務規則に別の定めが無ければ会社が著作者になる(第15条第1項) |
| カメラマンや制作を頼んだ会社が撮った写真・描いた絵 | 契約の範囲で使える | 著作権を譲り受けるのか(第61条)、利用の許諾なのか(第63条)、使える媒体と期間、契約終了後の扱い |
| フリー素材・有料の素材サイトの画像 | 利用規約の範囲で使える | 商用利用の可否、クレジット表記の要否、加工の可否、使ってはいけない用途 |
| メーカーや取引先の商品写真 | 許可を得れば使える | 販売店向けに提供されている画像か、使ってよい範囲 |
| 他社のサイトやSNS、画像検索で見つけた画像 | 原則使えない | 著作権者の許諾を得る。引用の条件を満たす場合を除く |
| 生成AIで作った画像 | 既存の作品に似ておらず、サービスの利用規約で商用利用が認められていれば、使える場合が多い | 既存の著作物との類似性と依拠性(後の章)、使ったサービスの利用規約 |
出典:e-Gov法令検索『著作権法』第15条・第61条・第63条、文化庁『著作権テキスト-令和8年度版-』
許諾を得た場合でも、使えるのは許諾された利用方法と条件の範囲内に限られます(第63条第2項)。たとえば、チラシ用に買った写真をホームページにも使う場合は、ホームページでの利用が許諾に含まれているかを確かめる必要があります。制作を頼むときの契約の確かめ方は「契約前に確かめたい21項目」でも扱っています。
引用ならネットの画像を使える?著作権法第32条の4つの条件
著作権法第32条第1項は、公表された著作物は引用して利用することができるとし、その引用は「公正な慣行に合致するもの」で、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」で行われなければならないと定めています。文化庁の著作権テキストは、条件を次の4つに整理しています。
- すでに公表されている著作物であること
- 「公正な慣行」に合致すること(引用を行う「必然性」があること、引用部分が明確になっていること)
- 引用の目的上「正当な範囲内」であること(引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること、引用される分量が必要最小限度の範囲内であること、本文が引用文より高い存在価値を持つこと)
- 「出所の明示」をすること(第48条)
同テキストは、美術作品や写真などは全部を引用して利用することも考えられるとする一方で、自分の著作物に登場する必然性のない他人の著作物の利用や、美術の著作物を実質的に鑑賞するために利用する場合は引用に当たらないとしています。
ホームページの場面に当てはめると、次のようになります。
- ある写真の構図について自分の意見を書く記事で、その写真を示して論じる:必然性と主従関係があれば引用になり得る
- 店のイメージや記事の見出し画像として、ネットで見つけた写真を飾りに使う:論じる必然性が無いため引用に当たらない
- 他社の施工写真を、自社の施工例のように並べる:引用に当たらないうえ、事実と違う表示にもなる
引用で使う場合も、画像の近くに作品名や作者名、掲載元などの出所を書きます。引用に当たるかどうかの判断に迷う場合は、使う前に専門家に確認してください。
人が写った写真は何に気をつける?肖像権との違い
人物の写真では、撮った人の著作権とは別に、写っている人の権利も考える必要があります。文化庁の著作権テキストは、「肖像権」を自己の氏名や肖像をみだりに他人に公開されない権利で、プライバシー権の一種とされているものと説明し、著名人の氏名や肖像が持つ顧客を引きつける力にもとづく権利を「パブリシティ権」と呼んでいます。そのうえで、日本では法律で肖像権やパブリシティ権を規定したものはなく、これらは判例によって確立された権利だと説明しています。
法律に条文が無いからといって気にしなくてよいわけではありません。ホームページでは、次の点を決めておくと後のトラブルを避けやすくなります。
- スタッフ紹介の写真:掲載してよいか、退職したら差し替えるか、本人と取り決めておく
- お客様が写った作業風景やイベントの写真:顔が分かる写真は掲載前に了解を取り、了解が取れない場合は顔が分からない写真を使う
- お客様の家の中や持ち物が写った写真:住所や個人が分かる物(表札、郵便物、写真立てなど)が写り込んでいないか確かめる
- 有名人の写真や似顔絵:無断で宣伝に使わない
お客様の声に写真を添える場合の注意は「お客様の声を載せるときの注意」でまとめています。
生成AIで作った画像は使っていい?文化庁の考え方
文化庁は2024年3月に、文化審議会著作権分科会法制度小委員会の「AIと著作権に関する考え方について」を取りまとめ、概要を公表しています(出典:文化庁『AIと著作権について』)。ホームページに生成AIの画像を載せる場面に関わる点は次の2つです。
- 使ったときに著作権侵害になるか:生成した画像をSNS等にアップロードして公表したり、複製物を販売したりする場合は、通常の著作権侵害と同様の基準で判断されます。既存の画像等との類似性(創作的表現が共通していること)と依拠性(既存の著作物をもとに創作したこと)が認められ、権利制限規定の対象外であれば、著作権侵害になります。
- 生成した画像に著作権があるか:人が何も指示を与えず、または簡単な指示を与えるにとどまり「生成」のボタンを押すだけで作られたものなどは、著作物に該当しないと考えられています。人が創作意図を持ち、創作的寄与と認められる行為をして、生成AIを「道具」として使った場合は著作物に該当し、使った人が著作者になると考えられています。
出典:文化庁『文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」【概要】』2024年4月
実務では、特定の作家名や作品名、キャラクター名を指示に入れて似せた画像を作らない、出来上がった画像が既存の作品に似ていないか見比べる、使ったサービスの利用規約で商用利用が認められているかを確かめる、の3点を守ると、リスクを下げられます。また、生成した画像を自社の施工例や実際の店内の写真のように見せるのは、著作権とは別に、事実と違う表示になるため避けてください。
自分のサイトの画像はどう点検する?出どころの一覧の作り方
長く使っているホームページでは、誰がどこから持ってきた画像か分からなくなっていることがあります。次の手順で一覧を作ると、問題のある画像を見つけやすくなります。
- トップページ、サービス紹介、会社概要、ブログなど、画像が多いページから順に、載っている画像を書き出す。
- 画像ごとに「撮った人・作った人」「入手元(自社撮影、撮影を依頼、素材サイト名、取引先など)」「利用の条件(契約書や利用規約)」を書き込む。
- 素材サイトの画像は、今の利用規約で商用利用やクレジット表記がどうなっているかを確かめる。
- 入手元が分からない画像は、自社で撮り直すか、条件が確かめられる素材に差し替える。
- 人が写っている画像は、掲載の了解を取っているか確かめる。
- 新しく画像を載せるときも、同じ一覧に書き足す決まりにする。
文化庁の著作権テキストは、権利が侵害された場合の民事の対抗措置として差止請求(第112条)、損害賠償請求、不当利得返還請求、名誉回復等措置請求を挙げ、刑事では、個人は10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(併科も可)、法人は3億円以下の罰金としています(第119条第1項、第124条第1項)。著作権侵害の多くは権利者の告訴が必要な親告罪とされていますが、指摘を受けてから慌てないよう、入手元の記録を残しておくことが大切です。
画像を差し替えるときは、暖簾AIの運用アプリの「ページ編集」で、実物の見た目のまま差し替えて反映できます。差し替えた画像には代替テキストも付けましょう。書き方は「画像のalt属性とは?代替テキストの書き方と空欄にする画像の判断」にまとめています。個別の画像が許諾の範囲内か、引用に当たるかの判断は、弁護士などの専門家に確認してください。
よくある質問
- フリー素材ならクレジット表記なしで何にでも使えますか?
- 使える範囲は素材サイトごとの利用規約で決まります。商用利用やクレジット表記の要否、加工の可否、禁止されている用途を確かめ、規約が変わることもあるため使い始めた時点の条件を記録しておいてください。
- ©の年は毎年更新しないといけませんか?
- 文化庁の著作権テキストは、©の表示には法律的な意味はほとんどなくなっていると説明しており、更新しなくても著作権が失われることはありません。ただし古い年のままだと更新が止まったサイトに見えることがあるため、ページを更新したときに合わせて直すとよいでしょう。
- 制作を頼んだ会社が用意した写真は、契約が終わっても使えますか?
- 著作権を譲り受けたのか、利用の許諾を受けただけなのかで変わります。許諾の場合は許諾された方法と条件の範囲でしか使えないため、契約書で契約終了後の扱いを確かめてください。
- ネットで見つけた画像を加工すれば使ってもいいですか?
- 加工しても元の画像の創作的な表現が残っていれば、著作権者の許諾が必要です。著作者には作品を勝手に改変されない権利もあり、無断で改変した場合はその侵害にもなり得ます。
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